もっちゃん

ワイルド・スピード SKY MISSIONのもっちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
ワイスピシリーズ7作目。
『ワイルドスピード SKY MISSION』
『Fast & Furious 7』

主人公のひとりブライアン・オコナーを演じるポール・ウォーカーの遺作となった本作。
ブライアンのラストのセリフ「Thought you could leave without saying goodbye」と彼の笑顔が印象深い。。


さて、アクションシーンの見応えは相変わらずすごいですが、全体の完成度としてはもう一声といった感じ。

▼見どころ
①完成度の高い序盤!
ジェイソン・ステイサム参戦!前作の敵キャラだった≪オーウェン・ショウ≫の兄≪デッカード・ショウ≫を演じる。
「弟の仇を討つ」というパーソナルな動機も相まって、ドミニクファミリーにとって大いなる脅威となる予感が迸る鮮烈な登場シーン!

→からの、ドミニクとレティは記憶を取り戻す一環で自らが立ち上げたレースに参加。
ズンズン鳴り響く音楽にぷりぷりなヒップのガールズ。薄れつつある"ワイスピらしさ"をこしゃっと演出。

→一方、大好きな日本車...ではなくミニバンを運転するブライアンが登場。
1作目から伝統のレースシーン。記憶の戻らないレティ。家族ができ帰るべきホームを手にしたブライアン。シリーズが重ねてきたものを感じとれるいい対比です。

→そしてもはや主役格となったホブスがいる保安局にデッカードが侵入するシーンへ。
この序盤でロック様vsジェイソン・ステイサムというビッグマッチが実現!
ステイサムにロック様の代名詞ロックボトムをかましたときは、興奮して思わず声が出ちゃいました!笑

→ハン、ホブスからデッカードの狙いはブライアンへ。幸せそうに暮らすブライアンたちの日常に牙を剥くデッカード。改めて今作の敵キャラの執念深さとイカレっぷりが示される。

→ハンの遺体を引き取りに東京に向かったドミニク。ここで3作目の『TOKYO DRIFT』からショーンがちょい役ながら出演!個人的にはショーン好きなので、今後絡んでこないのかなあと期待が膨らむ。

→ハンの葬式のシーンへ。ハンへの想いを語るファミリー。ポールのことがあるので作中のセリフ以上の意味を重ねてしまう...この段階でうるっときてしまいますね。

→一転、葬式の場にも監視にきてたデッカードとドミニクのカーチェイスへ。トンネル内に逃げ込んだデッカードは踵を返しドミニクと向かい合う。そしてアクセル全開の衝撃の正面衝突シーンへ!


...はい。この後、デッカードを見失いどうやって探し出すかというストーリー展開になります。
この後もアクションシーンは見どころ連発なんですが、ストーリーは尻すぼみに。
序盤が素晴らしかっただけに残念...


②『SKY MISSION』
前作『EURO MISSION』に続き、MISSION続きの邦題。鑑賞前は大して意識してなかったのですが、冷静に考えるとカーアクションと"SKY"って全く関係ないじゃん。飛行機能のついた車が登場するようなSF作品でもないし。

この想像力を刺激してくれる邦題いいですね。
車×空。何が起きるんですかね。
ここが本作最大の見どころなんで、色々妄想して楽しんでいただきたいものです。


③キャラクター
今作ではドミニクとデッカードのキ×ガイっぷりが良く、このふたりは光ってましたね!
ローマンのおバカキャラもぼくは好きです。

ブライアンはまばゆいくらいに光り輝きすぎてもう正常には見れません...


④ラストシーン
ポールへの追悼シーンで終わる本作。
後述するセリフとともに、
過去のポール演じるブライアンのハイライトシーンが流され、
BGMにはyoutubeで40億再生を超える2000年代を代表するヒット曲となったWiz Khalifa ft. Charlie Puthの『See You Again』。


失礼ながら、ポール・ウォーカーという俳優はワイスピシリーズ観るまで知りませんでした。
ワイスピも今更ながらの鑑賞で。
シリーズに出てる俳優さんが事故で亡くなったというのは耳に入っていましたが、当時は知識が全くなく衝撃を受けるほどの距離感ではなかったのが思い返されます。

公開から4年経ってから観たぼくですらいまだにポール・ウォーカーの死というのはショッキングで、ちょっと現実味がないレベル。

そしてこのラストシーンは、気持ちの整理をつけるという意味では必要なシーンだったと思います。


▼メッセージ性
これは恐らく予期していなかったとは思いますが、
ドミニクのセリフが今作でも痺れるセリフなんですけど、ポールの事故が重なって"死生観"という哲学的なメッセージを感じとれるセリフに昇華してるんですよね...
個人的にはポジティブで希望に満ちた良い"死生観"だと思いますので、レビューの締めくくりとして引用させてもらいます。

・ハンの葬式シーンのセリフ
They say that to live in the hearts of those we leave behind. is not to die.
(俺たちの心に生きる者はー死にはしない)


・ラストのセリフ
I used to say I live my life a quarter mile at a time,
(スピードを愛し生きてきた)
※1作目でドミニクが言った名セリフの抜粋ですね。その時の和訳は"ゼロヨンに生きる人生"とかでした。

and I think that's why we were brothers, because you did too.
(だから俺たちは兄弟だ。お前も同じだった)

「スピード」=直接的にはゼロヨンレースのことですが、車を運転している瞬間と考えるとシリーズで見せたカーアクションの際の勇敢さともとれます。ブライアンもドミニクと同じようにファミリーを守るため勇敢に戦ってきた。だから俺たちは兄弟なんだと。
また、スピード=そのまま『ワイルドスピード』という作品ともとれます。シリーズを愛し情熱をもって演技をしてきたポールへの、ヴィン・ディーゼルからのメッセージにもなってます。
あ、いかん。書いててまた泣けてきた。。


No matter where you are, whether it's a quarter mile away, or half way across the world. You'll always be with me, and you'll always be my brother.
(どこにいようと...400m先かー地球の裏側でも
いつも一緒だ 永遠の兄弟だ)
もっちゃん

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