きはる

スノーデンのきはるのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
3.8
全世界の個人情報が監視されている。
スノーデンが暴露したこの内容を、ろくに理解せず生活してきた自分にドン引きしました。

わたしたちがいつも使っているGoogle検索。
この機能と同じくらい気軽に、
キーワードさえ入れればどんな通信情報でも閲覧可能。
そんなシステムがあるんだそうです。

見られている当人は気付かないし、
許可を取られるわけでもない。

その人が接触した人物、
そしてその家族、親戚など、
それぞれ3人ずつ辿っていくと、
それだけで250万人もの人の行動を追うことになるって…。

スノーデンが語るのは、
アメリカの諜報活動を行うCIA、NSA(米国国家安全保障局)のそんな内情。
それは最早フィクションのように刺激的なんです。


スノーデンは日本の横田基地にも駐在していたそう。

アメリカは日本との同盟関係が切れれば、
即座に日本の社会インフラを停止させることができるシステムを構築している。
もちろん視察に来た日本人にはそんなことは言わず、
そのシステムを利用した別の機能を見せる。

なんとなく想定はできていたけど、
事実として改めて突き付けられるとゾッとします。


アメリカが重きを置いているのはロシア、中国、イラン。
この国のラインナップを聞いて、
真っ先に思い浮かぶのは宇宙開発。
宇宙での有人飛行を実施できているのはロシアと中国だけ。
アメリカはロシアの技術を使っているんですね。

そしてこの映画は、スノーデンとその恋人・リンゼイのラブストーリーでもあります。
2人の会話のきっかけは
「GHOST IN THE SHELL」!!!

「攻殻機動隊」シリーズファンの自分はここで1番にやにやしました。
ああ、
ジョセフ・ゴードン・レヴィットの佇まいは、
やっぱりかっこいいんだよ…。

この映画だけを信じるのも偏りがあると思いますが、
観た後で間違いなく世界を見る目が変わる一作だと思います。

最後はスノーデン本人のインタビューで締め。

朝の電車内。
隣に座っている男性がiPhoneをいじっている。
こんな見慣れた風景を見ながら、
「ああ、この人が見ている画面も筒抜けなんだな…」
とふと思うようになってしまったのは、
果たして進歩なんでしょうか。
きはる

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