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スノーデンのNAOZYのレビュー・感想・評価

スノーデン(2016年製作の映画)
3.5
オリバー・ストーン監督の新作「スノーデン」を観る。
NSA(アメリカ国家安全保障局)職員のエドワード・スノーデンが米国による個人情報収集の実態を告発するまでを描いた作品。

スノーデンはなぜ米国を裏切るような告発をしたのか?

テロ対策と称してCIA、NSAは世界中の情報を収集するため有名ポータルサイト、SNS、メールからの情報を収集し、ノートPCを遠隔操作して個人の行動を監視していた。これは全体主義的な監視社会に米国が陥っている事を物語っている。
911でブッシュ大統領がテロ対策で作った「米国愛国者法」の成立により米国は自由と人権を守る国ではなくなってしまったようだ。
愛国心が強く国のために働いていたスノーデンが米国政府機関が実は米国民の自由と人権を踏みにじってる事に憤り英国のジャーナリストに告発するという決断をしたのは実に勇気がいることである。米国民のためにとった行動が米国政府から裏切り者とされるわけだから、まさに命がけである。
「プラトーン」「JFK」で「アメリカの正義とは何か?」というテーマを描いて来たオリバー・ストーンがスノーデンの行動に自身の信条がピタリと一致したからこその映画化だろう。
これはオバマ大統領任期中の出来事であることがポイントでリベラル派のオリバー・ストーンが国民監視を容認していた民主党政権を批判するというのも皮肉なものである。
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