うえさま

スノーデンのうえさまのネタバレレビュー・内容・結末

スノーデン(2016年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

インターネットは情報の自由な流通、サイバーセキュリティ、プライバシーの尊重の3つのバランスを取ることが難しいために、現在において拘束力のある枠組みの構築はいまだにできていない。この作品を観ればその難しさがよく伝わってくる。

この作品は実話を基にしたインターネット及び情報社会の在り方を今一度問う作品であり、個人的にかなり面白かった。

劇中では全世界の情報を閲覧することによって安全を保持しようとする国家と、個人のプライバシーを尊重しようとするジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるスノーデンの2つの側面が上手く絡み合っていて観やすかったが、スノーデン個人の葛藤を特に丁寧に描いているので(もちろんスノーデンが主役なので)スノーデン側に感情移入する人が多いのかもしれない。

正直、この場合国と個人のどちらが正しいのかと問われると、どちらも大旨正しいように感じる。
上記の通りこの作品はスノーデンを主人公に据えているために一見個人が国家に対して勝利した勧善懲悪もののようにも見えなくないが、劇中シーンでもあったように、重要なのはインターネット社会及びサイバーセキュリティについて改めて見つめ直すべきだということを、観る側に提示している所がこの映画の最大のポイントだと私は思う。

そしてジョセフのインテリ役はめちゃくちゃ似合うしカッコいい。