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ジャスティス・リーグのkatsuのレビュー・感想・評価

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.6
最強チーム結成!
そして地球最大の危機が迫り来る……

《INTRODUCTION》
DCコミックスの人気ヒーローが大集合する最新アメコミ超大作。
究極のスーパーヒーローチーム”ジャスティスリーグ”が人類を救うため大活躍を繰り広げる。
結集するのは、バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグの五大ヒーロー。
果たして彼らは地球に迫る強大な敵を打ち破ることができるのか?

監督は当初ザックスナイダー(マンオブスティール)でスタートしたが、途中でジョスウェドン(アベンジャーズ)に交代。
脚本もウェドンがクリステリオと共に執筆。
音楽は「バットマン」のダニーエルフマンが担当する。

またこの映画にはヒーローたちの単独映画に登場するキャラクターも集合しており、”バットマン”の世界からゴードン、アルフレッドら、”ワンダーウーマン”からヒッポリタら、”スーパーマン”からロイスレイン、レックスルーサーらも登場。
また最強ヴィランのステッペンウルフをキアランハインズが演じる。

《STORY》
スーパーマンが超生命体ドゥームズデイによって命を落とした後、世界各地で犯罪が急増。
そんな時、人々を守っていたのは残されたバットマンことブルースウェインと、彼をサポートするワンダーウーマンことダイアナプリンス。
しかし『いまや地球を守れる者は誰も存在しない』とばかりに、他の星々を支配してきた魔手が宇宙から襲いかかろうとしていた……その危機にいち早く気付いたブルースは、迫りくる巨大な悪に備えて、超人チームを集結しようと考える。

ブルースが白羽の矢を立てたのは、目にもとまらぬ高速で動き回れるフラッシュことバリーアレン、全身のほとんどが機械化された兵器人間サイボーグことビクターストーン、自慢の怪力で水陸両棲の海の王アクアマンことアーサーカリーの、これまで孤独に戦ってきた3人。
いずれ劣らぬスーパーパワーの持ち主だが、性格も個性もバラバラ。
スカウトしたブルースはそんな彼らを一つにまとめなくてはならなくなる。

彼らがジャスティスリーグとして一堂に集う中、想像を絶する敵ステッペンウルフが軍団を率いて地球支配を狙う。
果たしてヒーローたちは人類を救えるのか?

《CHARACTER》
❶BATMAN
=バットマン/ブルースウェイン

世界でも有数の金持ちで巨大企業のCEO。
子供時代の悲劇が元で悪を憎み、闇のヒーローとして自らの正体は隠して活躍。
莫大な資金力を生かして秘密兵器を次々開発し悪と戦ってきたが、スーパーマンがいなくなった世界を単独行動で守る限界を感じ、ワンダーウーマンと共に、孤独な戦いを続ける超人たちをスカウトして最強チームを結集する。
そんな彼を陰で支えるのは、幼いころから面倒をみてもらった執事のアルフレッド、ゴッサムシティの正義漢、ゴードン署長ら。

❷WONDER WOMAN
=ワンダーウーマン/ダイアナプリンス

女性だけが暮らすセミッシラで、アマゾン族の女王ヒッポリタの娘として育った最強美女戦士。
叔母であるアンティオペ将軍の特訓を受け、ゴッドキラーという剣や真実の投げ縄などの武器を使いこなす。
第一次大戦期、故郷を出て世界の複雑さを初めて知るが、人類に平和をもたらすため現在も悪と戦い続ける。
バットマンをサポートし、各地で単独行動をしていたヒーローを集め、ジャスティスリーグを結成。
普段はパリのルーブル美術館で学芸員として働いている。

❸THE FLASH
=フラッシュ/バリーアレン

実験室で雷に打たれたことから超高速で動き回る能力を身につけた、お調子者のオタク青年。
銃から撃たれた弾丸さえキャッチできる能力を持つ。
実戦経験が少ないことを気にしているが、ブルースウェインにスカウトされ、ジャスティスリーグの一員になる。
その理由は友だちがいなくて寂しかったから?
父親ヘンリーは投獄されていて時々会いに行っているようだが……ちなみに『バットマンvsスーパーマン』『スーサイドスクワッド』にもちらっと登場していた。

❹AQUAMAN
=アクアマン/アーサーカリー

水陸両棲の海〈アトランティス〉の王で、自慢の怪力で相手を倒すのも得意だし、一方で魚と会話ができるという特殊能力を持っていたりする。
様々な怒りを胸に秘めていて、人間の世界では気が短く荒々しい性格の暴れ者として、なるべく人間を避け除け者のように飲んだくれて暮らしている模様。
ジャスティスリーグの一員に招かれるが、最初はあまり自分自身を受け入れられずぎこちない一面も見せる。
しかしいつしかそれを乗り越えて……
映画には彼の美しい妻メラも登場するので、水中世界での彼の逸話も描かれるはず。

❺CYBORG
=サイボーグ/ビクターストーン

元は花形フットボール選手だったスポーツ青年。
だが彼はある事故に遭って瀕死の重傷を負い、科学者の父サイラスストーンが彼を救うため、体の半分以上を機械に交換する。
こうして新たに誕生したレイは、地球上のあらゆるコンピューターに繋がり、セキュリティー能力にも長け、体の一部を変形させて強力な武器にしたり、飛行能力も発揮して地球に迫りくる悪と戦う半分人間半分機械のスーパーヒーローに。
他のジャスティスリーグの仲間たちと違って、どんな時も”変身後”の姿でいなくてはならないことがジレンマ?

《CHECK POINT》

❶スーパーマンの遺志を継ぐバットマン
「バットマンvsスーパーマン」は本作を見る前に、ぜひ復習しておきたい。
そのクライマックスで描かれるのは、バットマンとスーパーマン、ワンダーウーマンの初の共闘。
これはある意味、リーグの始まりと言えるだろう。
そしてスーパーマン亡き後、バットマンがその遺志を継ごうと決意する、本作への重要なエピソードがある。
スーパーマン死すとも”正義〈ジャスティス〉”は死なず、なのだ!

❷ワンダーウーマンのシーン増加!
6月に全米公開されるや、今年の作品では「美女と野獣」に次ぐ驚くべきヒットを記録した『ワンダーウーマン』。
興奮冷めやらぬ観客は、ワンダーウーマンの活躍をもっと見たいに違いない……
というわけで、同作の公開後、追加撮影が行なわれてワンダーウーマンの登場シーンが増えたとのこと。
それがどの場面なのかを考えながら見るのも、お楽しみのひとつ!

❸みんな大好きフラッシュ!
超音速で動く男フラッシュは、これまでTVやOV、アニメで映像化されてきたが、映画への本格的な登場は今回が初めてと言ってよい。
原作コミックでは数パターンの誕生が描かれるほどの人気キャラだが、現在では母を殺した真犯人を追う鑑識課の警察官が定着。
この映画化版では、年齢をグッと低く設定し、ジョーク好きの現代的な若者として描いており、コメディリリーフとしても活躍。
昨年の同日に公開された「ファンタビ」でクリーデンスを演じた新鋭エズラミラーが魅力溢れるキャラを熱演し、既にSNS上で人気爆発中!

❹ステッペンウルフとはどんな敵?
ヴィラン、ステッペンウルフは異星人で、これまで何度も他の惑星を滅亡させてきた。
そんな彼の新たな標的が地球に定められるのだから一大事。
ただでさえ凶悪な敵が、マザーボックスと呼ばれる秘宝を地球で入手したことにより、さらに強力なパワーを得ることになる。
ちなみにステッペンウルフの背後にはダークサイドというラスボスが控えている。

❺マザーボックスとは何か?
不思議な力を宿すキューブ体マザーボックスは、元々はステッペンウルフの母星に存在していたアイテム。
人類がかつて、その襲撃を退けた際に、この秘宝を三分割して保管することになった。
ステッペンウルフは、それを取り戻すために地球に襲来する。
ちなみに、マザーボックスを持つ者は次元の壁を自在に突破することができるとのこと。

❻ガジェットは進化する?
バットマンは特殊能力を持たない普通の人間だが、そのぶん財力にモノを言わせて(?)、ガジェットの開発に力を入れている。
お馴染みのバットモービルには、より強力なキャノン砲やミサイルが搭載されているという。
また、フライングフォックスと呼ばれる大型の輸送機が新たに登場。
ジャスティスリーグの面々は、これに乗って移動することもある。

❼スーパーマンは復活⁉︎
原作のファンにとって、ジャスティスリーグにスーパーマンは欠かせない存在。
とはいえ映画版では「バットマンvsスーパーマン」で命を落としており、結成時は不在……ということになる。
しかし、そこは超人の中の超人。
あなたもその目で復活の瞬間を見届けよ!

❽今後のDCはどうなる?
現在撮影が終了したばかりのアクアマンを単独の主人公にした「アクアマン」は2018年に公開予定!
これに続き、2019年には「ワンダーウーマン2」、2020年にはフラッシュを主人公にした「フラッシュポイント」の製作を予定!
「ジャスティスリーグ」の続編や、スーパーマン、バットマンの新たな単独作品も企画進行中だ!

《REVIEW》

宣言通り前作「バットマンvsスーパーマン」より遥かにライト感が増しかつ喜怒哀楽が適度に表現された秀作となったのは間違いない。
登場キャラクターが増えるとそのキャラ自身の掘り下げが曖昧になり、結果的に中途半端な作品となってしまう。
しかし、本作はその点合格と言えるのではないか?
バットマンやワンダーウーマンは良しとして、アクアマン、サイボーグ、フラッシュに関しては本作が本格的デビューとなり、観客に何らかのインパクトを与えなければお蔵入りとなってしまう。
そんな多くのプレッシャーがあったであろう、ジェイソンモモア、レイフィッシャー、エズラミラーたちは自身のキャラを演じきり、特にフラッシュのオタクかつお調子者な性格は日本人も好くタイプではないだろうか?

ですが、映画に良い点があれば、悪い点も必ず浮かび上がる。
それは脚本の粗さだろう。
やはり全体的に抜けも垣間見える。
ネタバレはしたくないのでちょっとだけ……アクアマンが登場するあるシーンに?が付きます笑
さらにバットマンの世界からアルフレッドが出てきますが、ジェレミーアイアンズの渋い声が劇場に響き渡るだけでも興奮してしまいます。
なのにゴードンの見せ場があまり無かったのは残念。
JKシモンズ好きなのに……

そして、スーパーマンの復活。
なぜか興奮できない視覚効果のツクリで、しかもロイスレインとの再会にあまり感情移入できないのも、脚本のアッサリ感があるから?

上映時間が2時間なのは好印象!
アメコミは2時間を余裕で超え、観客はフィナーレになると疲れ切ってクタクタになる……
これからのアメコミは2時間付近で定着して欲しいのが本音笑

製作予算は驚異の3億ドルでこれまで最高額であった「パイレーツオブカリビアン ワールドエンド」の3億ドルと並んだことになる。
一言で良いなら”お金かけすぎ!”笑
どうすれば配給側はこんな高額を映画に費やせる勇気が出てくるんだろう。
配給元であるワーナーブラザースは期待のある作品や高い興収が見込まれる作品にはとことんお金をかける会社であり、賭けが大好きで有名だ。
ワーナーのメガヒット作である「ハリーポッター」シリーズは累計でかなりのお金を費やした分、興収も超超高額でシリーズ映画としてはNo.1の興収を記録した作品となり、スピンオフの「ファンタビ」は製作費$1.8億で「死の秘宝」2作品の合算製作費$2.0億に近い額を投資し、興収もそれに応え大ヒット……配給側の熱意が伝わるものとなった。
他にも「ホビット」シリーズや「ダークナイト」シリーズなど投資額は高いがその分大ヒットした。
製作費同額の「パイレーツオブカリビアン ワールドエンド」は高額の製作費を十分返す以上か世界的大ヒットとなり、一時伝説となった。
本作と同形態のマーベルキャラ集合映画「アベンジャーズ」の1作目製作費は$2.2億、2作目は2.5億で、高額ではあるが世界興収TOP10に入るバリ儲け!
その点、「ジャスティスリーグ」はどうだろう?
ワーナーもかなり気合いが入りすぎたのではないかと、本作の現状興収を見て感じてしまう。

映画に良い点、悪い点があるのは仕方のないこと。
ですが、作る以上”観客第一”なのは映画史の様々な名作が示した鉄則である。
この場面では観客はどう感じるだろう…
この場面ではどうだろうか…
ワンダーウーマンが戦うシーンは誰もが興奮してくれるだろう…
でも観客の誰もが興奮してくれる訳じゃない。
興奮して泣き出す観客もいれば、視覚効果に見飽き興奮すらしない観客もいるかもしれない。
でも後述した観客を出来るだけ無くす視覚効果や編集、演技や音楽をスクリーンに映し出されるだけで、観客が劇場を後にした時に思うそれぞれの感情は違ってくると思う。
人々の感情が揺れ動けば、観る視点も変わってくる……映画は人間の未来を変えるんです!

「一人じゃ、世界を救えない」

どれだけの観客の心にこのメッセージが刻まれたであろうか。

あなたはどうですか?


***

本編が終わっても、エンドロールが終わっても、席を立たないこと!
オマケ二本立てが待ってます〜〜♪
2人の対決と続編の伏線が……おっと未鑑賞の方すみません笑
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