とんでもない映画だ。
会話が俯瞰的なのでわかりやすくて、摩訶不思議な世界に置きざりにされないので、飽きずに観られた。派手すぎず単調すぎず。もちろん映像処理がいかしてる。美しい。
登場人物が少ないので感情が入りやすく、常に覗き見られているような密室体験。映画館から脱出できて良かった。
それにしても上手なシナリオだ。近未来を描いているのか、現在を描いているのか、それとも単に人間の愚かさや男女関係を揶揄してるのか。解釈は多様と思う。感想がひとつじゃない作品が好きだ。
AIの映画はいくつかあるけれど、そのどれとも例えようがない…似た話はあってもこれはまた違ったメッセージのような気がする。コンピュータの無い時代、人は猿にビビってた。いま我々が恐れるべき“AIの惑星”のお話。高得点を付けました。
作品に点数付けたとしてもビッグデータに笑われる気がする。評価に揺れる人類と、取捨選択に努めるAIとの睨み合い。傑作。