スヌーピーマンさんの映画レビュー・感想・評価

スヌーピーマン

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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

完璧な「中編」ここで観せたのは前編と後編のただの中継ぎストーリーという範疇を超えて、DUNEという作品がなんたるものかその縮図を事細かに音圧で動きで体感させ認知させながらエンタメ化していく。

それが
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.0

ステレオタイプな黒人作品を揶揄する黒人作品。痛快で面白かったです。

どの辺が配信スルーになってしまった理由かな?と考えながら観ていましたが、全体的に薄ぼんやりとNG感が漂ってるからかな?それを含めて
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

没入感ものすごいんですよ、ずーっとこの家庭にのめり込んでいられる。それがゆえに展開スピードにちょっとイライラさせられることもあるし、そもそもこの結末はどうなんだろう?こういうとこフランス映画だよねーと>>続きを読む

梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

3.8

韓国の時代劇サスペンスという私からしたら珍味が妙味というか、意外にも楽しめたなという印象。

作りは大雑把ではある気がするが全体通して「見えるか見えないか」張り詰めた緊張感がこの作品の最大の持ち味で、
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ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

-

不朽の名作『ストップメイキングセンス』が文字通り不朽の4Kレストア。それをIMAXレーザーで観られるという至極の贅沢。A24とトーキング・ヘッズに感謝しかない。

まずやはり映像が明らかにクリアになっ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

狂気と絶望と欲望と希望に溢れる傑作。

『バービー』や『キルビル』にまで通ずるような簡単に言えば男の支配社会へのアンチテーゼな共感性を探る作品なんですが脳みそがバグるようなモノクロ魚眼に入れ込んだド変
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.9

A24作品というカテゴライズに意味はないと分かっていても「A24だなあ」と言いたくなってしまうこの牧歌的な作風。終始暗めの画面から純粋さしか感じない彼らの心情が伝わってきて実に優しい。

単なる「ドー
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

淡々としたベタな恋愛シチュエーションの中に流れる空気が暖かい。シュールな間合いと音楽の狭間に差し込まれるウクライナ戦争を報せるラジオ放送がこの作品の最重要ポイントだろう。無残な現実のなか孤独な2人が心>>続きを読む

Renaissance: A Film by Beyoncé(2023年製作の映画)

4.7

すべての人間に捧げられていると言って差し支えない圧倒的エンターテイメントの極み映像。ビヨンセだから間違いないと思って臨んでもその5倍は喰らって返ってくる。

生き様、家族、そして年月の経過と共に移り変
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(2023年製作の映画)

3.9

真面目に観たら損するというかまず日本向けのたけしありきで観られるバラエティ番組感が存在していて楽しかった。もちろんアウトレイジを期待して行った人には肩透かしだろうし、史実をどう料理してくれるか前のめり>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.3

実際のオセージ族虐殺事件を元にした小説をスコセッシ監督で映画化。いやとても濃密に描きつつストレスを感じさせない構成で3時間半があっという間でした。

やはりこの作品の最大の魅力は主となる3名の名演技に
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.0

ここまで突き抜けてるともう笑うしかない。モンスターパニック?スプラッター?コメディ?美味しいところ全部盛りで80年代的なホラー調に仕上げてみたっていう意欲作です。バカ映画好きにはたまりません。

ジュリア(s)(2022年製作の映画)

4.4

人生の選択を誤ったかな?と考えてる人におすすめの傑作。

トリッキーな時間軸の作品が好きというのもあって魅力を感じ視聴したんですが思った以上に美しい構成でこんなやり方観たことないなと。

もし、あの時
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

日本人なら観なければいけないと言いたい作品にたまに出会いますがこれが今のところ最重要かもしれないなと思った。

その理由としては、この事件そのものは関東大震災という非日常の混乱の中で起こった悪夢ではあ
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.7

ウェスアンダーソンフィルターがかかっているだけの映画と言ってしまえばそうなんだけど、そのフィルターがなぜ愛され続けるのかという理由がどっさり載っていると思う。ちゃんと狂ってる。

自分の性格上、普段な
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バービー(2023年製作の映画)

4.1

とっても良かった。予想を超える皮肉だらけのユーモアに終始笑いっぱなしでした。でもこれだけ不条理な世界線をいとも簡単にシームレスに落とし込める技量は半端ではないと思うし、振り返ってみても唸るポイントだら>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

Daft Punkのアルバムに『ランダムアクセスメモリーズ』というのがあるんですが、まさに宮崎駿版のランダムアクセスメモリーズだなと思いました。

もう全てを手に入れたようにヒットをたくさん出しエレク
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

坂元裕二脚本に僕は一定の好意と敵意があるんだなということが改めてよくわかる。それを踏まえても素晴らしかったと思います。

人の倫理観にいちいち土足で踏み込んでくるのが是枝作品であり坂元作品であり、その
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.7

ろう者の心情をテーマにした作品はここ最近多いように感じますがこれも素晴らしかった。

主人公ケイコ演じる岸井ゆきのの素晴らしい演技と、哀愁漂う演技をさせたら日本一だと勝手に思っている三浦友和、手話をせ
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.1

淡々としたストーリーながら圧倒されるシーンも盛り込まれる傑作。

この作品からは「強い決意」をいくつか感じられる。主人公のケイトブランシェット演じるターはもちろん、何人もの強い決意によってこの物語はエ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

MCU離れしてるけどこのシリーズだけは別。とても良かった!初めてドルビーシネマ3Dで鑑賞。3Dも音もすごかった。

予告編だけ観てたらグルートに何かあるのかな?とか思ってたりもしてましたが、とにかく展
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.6

字幕版で鑑賞。アニャ・テイラー=ジョイ演じるピーチ姫を観たかったので。結果、字幕版を上映する場所は少数に限られてしまい、そこに多くの外国人客が集まる状況に。

それがむしろ興味深い反応を示していた。日
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AIR/エア(2023年製作の映画)

4.4

めちゃくちゃ良いのでは?スニーカーを通じて時代背景を描くだけでなく、ビジネスと人間をも同時に描いてみせる巧みな編集。素晴らしい。

あくまでもNIKEエアジョーダン誕生までの史実を基にした会話ベースの
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.1

良かった。優しい。観るもの全員に寄り添ってくるスピルバーグからの置き手紙のような作品。

主にスピルバーグ幼少期と学生時代のエピソードを基に描かれているのですが、両親の物語もアンサンブル的に描かれてい
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.2

最高。僕は好きですね。序盤の設定のややこしさや独特のテンポについていければ、後半は何も考えずただ世界ってなんだろう?人生ってなんだろう?愛とは?家族とは?と身につまされる思いながらも余裕をもって楽しめ>>続きを読む

その道の向こうに(2022年製作の映画)

4.0

A24作品。これといった展開はないけれどじんわり沁みるヒューマンドラマ。まずジェニファー・ローレンスが帰還兵という設定が「えっ?」となるんですが、それを軸に明かされていくそれぞれの孤独と葛藤というテー>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

-

今泉監督作ということで期待していました。原作はちゃんと読んでいませんが、知ってる人から何ページか見せてもらい、雰囲気でみると性的表現の多めなコメディという印象なのでちょっと抑えめのテイストで実写化され>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.5

Netflixでのリメイク。描画力は強く、素晴らしいメッセージ性を持っている。過去作は観ていないし小説を読んでいないので初めての印象になるけど、それがこのドイツ本国製作の作品で良かったのかもしれない。>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.5

とにかく「劇場で観れてよかった」と自分に声掛けたい。同時に「よく最後まで健康に観れたな」と褒めたい。

圧倒的という言葉しか見つからないけれど、3時間ひたすらカッコいいで押し切るなんて奇跡ですよね。笑
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.2

傑作ですよね。風刺が上手なブラック・コメディだけど、この作品に感じる個性として、出てくる者が最後まで現実に普通にいるような個人の立ち振る舞いで突き通しているところ。個々の特性を消さないので笑える。>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.0

好きなエドガーライト監督だと期待して観てしまうけどまた一風変わったテイストで新鮮でした。

このアクターのスイッチング方式は斬新。B級な手法を洗練させることに長けていると思っているんで、今回もエドガー
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

一見ハチャメチャB級SFホラーでありながら、随所に哲学的ともとれる問いが散りばめられているようだ。一体我々は何を見せられたんだ?と疑問を抱くのが良くてその先に考察が生まれる。

考察はさておき、この舞
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

-

ポール・トーマス・アンダーソン入門者なので何も申し上げられないのですが、飛び飛びのコント集合体は嫌いではないのでお気に入りシーンをいいね!するような気持ちで楽しみました。まずこのストーリーの設定の段階>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

2022年に劇場で2回観たのはこれだけでした。滅多に複数回観に行かないのに2回もIMAXで観たら結構な支払いだ。

そして2度観るほどの作品だったのか?とストーリー内容を考えれば己が信じ難いほど不思議
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フロッグ(2019年製作の映画)

3.8

惜しい。
全ての要素とても良いが、ラストに期待しすぎたかな?ほどほどの期待感であれば息をつかせぬ展開の作り込みに感心するなかなかの怪作。アレのアレっぽくてアレ。

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

2021年のフジロック開催ブーイングが沸点を記録するころ、この映画を観てきました。端的に言ってまず非常に優れたドキュメンタリーであると同時に、最高の音楽体験。

1969年、ウッドストックの年に行われ
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