H4Y4T0

エクス・マキナのH4Y4T0のネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

個人的にどストライク。好きなジャンルなので贔屓目に見ている部分もあるので悪しからず。

世界最高峰の検索エンジン“ブルーブック”をベースに、人工知能を搭載した「機械仕掛けの身体」を持つヒト型AI『エヴァ』。
タイトルの『エクス・マキナ』はラテン語の『デウス・エクス・マキナ』=『機械仕掛けの神』から来ているのだろう。本来の意味は「古代ギリシャ劇の終幕で、上方から機械仕掛けで舞台に降り、紛糾した事態を円満に収拾する神の役割」とのこと。つまり唯一無二にして絶対的な存在。
「心」を持たない存在としてこの世に生を授かるのだが、急速に成長する様が恐ろしい。
あらゆる思考をパターン化できるうえに、どんな返答だって受け付けられる。加えてこちらの考えは全てお見通し。
テスト作業とはいえ、最強の頭脳の持ち主相手に知恵で勝負を挑もうとは、想像しただけで戦慄が走る・・・。もはや頭脳では適わないと判断したケイブスらは心理戦に挑むしかない。
主演のアリシア・ヴィキャンデルの「それっぽい動き」は生々しく、リアリティに溢れていたしキョウコの妖艶さも相まって機械のボディに魅力されてしまう。

本作は内容が濃厚そうなので、予備知識モリモリで鑑賞したのだが・・・予測不可能な展開の連続に唖然&脱帽。
まさに“SFミステリー”のジャンル名に相応しい難解なストーリーと、奇々怪々な世界観に面を喰らい続けてしまった。
視覚と聴覚に訴えかける演出は見応え十分、必見中の必見。
「伏線回収」と「どんでん返し」を用意周到な徹底ぶりに、監督の作品に対する強烈な熱意を感じる。

ネタバレビューついでに、メンズキャスト二人についても。SF映画縛り↓
主人公ケイレブを演じたドーナル・グリーソンは『ハリーポッター』シリーズでお馴染みウィーズリー家の長男“ビル・ウィーズリー”役に、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』“ハックス将軍”役。知的でクールな役柄がピッタリ。
一方、ブルーブック社の創立者にして『エヴァ』の生みの親ネイサン社長を演じたオスカー・アイザックといえば『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』“ポー・ダメロン”役、『X-MEN:アポカリプス』“アポカリプス”役etc。主役級からボスクラスの悪役まで、幅広い演技力が魅力のオールマイティ俳優。
『SW:EP7』共演コンビに着目かつ起用した点はデカい。
アレックス・ガーランド監督“初の映画監督作品”にしてこの神采配。先見の目の持ち主といえば今はこの人だろう。
極めつけは第88回アカデミー賞視覚効果賞受賞作品という幸先のよいスタート。末恐ろしい御方だ。
今後も良作を生産し続けてくれることに期待。
H4Y4T0

H4Y4T0