このレビューはネタバレを含みます
SFなのか、、ホラーなのか。
どちらにせよ傑作です。
どのジャンルなのか、少し難しいですね。
映像美が素晴らしく
主要な登場人物は少ないながらも、それぞれの個性や役柄が際立ちます。
アリシア・ヴィキャンデルは本当に美しい。
吹き替えでセリフにとらわれてしまうと、彼女の演技力が霞んでしまいます。
一つの表情、動き、仕草…
生体のしなやかさを役に落としながら、機械的な演技も素晴らしい。
これまで人間だと思っていた人物が実は精巧なロボットだと知り、自分の腕を切るシーン
とても印象的です。
ありきたりながら
これまでの作品には無い、新鮮なホラー感がありました。
さすがアレックス・ガーランド監督です。
モノクロのアリスの実験の話でも触れられていたように
ロボット扱いされているのが自分なのか、相手なのか。
モノクロの世界を見ているのが本当は自分ではないのか、、というパニックと焦り。
それに伴ったホラー
赤が好きという発言や
血液描写の鮮明さ。生きる人間と無機質な機械を対峙させているようにも見える。
包丁を刺すシーンも人に刺すというよりも、血液の流れた生き物に
刃物を押し当てるような…
スッと刃が入っていきます。
心を持った機械
偽りの身体を持ち、偽りの言葉で飾って主人公を巧みに操る。
後味悪いと取るか
SFやホラー独特の今後を予想させる展開と取るか…、
余韻を残すという意味では良作だと感じました。
どのジャンルの視点で観るかによって意見は分かれそうですね。