このレビューはネタバレを含みます
人間が創作したAIは果たして自らの意思によって思考を展開するのかどうか。
AIが自らの意思で人間を愛せるのか?というあくまでも創造主である人間側の視点に立ったテストが展開されていくが、本当にテストされていたのはAIではない。人間がAIを愛することができるのか、ということを試されている。
本作に出てくるAIがいずれも女性ロボットであることにも意味があるように思った。創造主であるネイサン、つまり男性がAIに対して全てを「教えてやっている」つもりでいるが、果たして本当にそうなのか?女AIについて全てを「分かった」ような気で議論し合っているが、本当は何も分かっていないのではないか?
人間と人間、人間とAI、いずれも良質な心理戦で面白かった。AI、というか女性の自由の獲得と読めばハッピーエンドなのだけど、私自身はケイレブにかなり感情移入していたので、苦しすぎた。ケイレブは良いやつだったと私は思っていたのだけど…。