ぴよち

アバウト・レイ 16歳の決断のぴよちのネタバレレビュー・内容・結末

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

トランスジェンダー本人の葛藤を内側から描くというよりは、かなり第三者的な視点で映画を作ってた。家族3世代のドタバタ家族劇だった。

一般的に心身ともに揺らぎを感じる時期に健康身体に不可逆な治療を開始することは、親であればかなり悩むと思う。この親の葛藤をTに対する不理解だと見做すのはかなり早計だと思うが、この映画はそこを落とさず表現してた。自身の子供に自由に生きてほしい。息子として扱うことに強い抵抗はなくても、いざ治療を開始するとなると同意書にすんなりサインするのは難しい。この家族としては、あの選択が最善だったけどどのケースにも当てはまるわけじゃないよなあ〜。

自分で男を自認しているのに、女に変わりゆく肉体に耐えるというのは非常に精神的苦痛を覚えるのはよく理解できる。特にFTMだと生理あるし…。

何が正解なのかなぁ。全てのケースを断定せずに一つずつに真摯に向き合っていくことが必要なのかなぁ。
 
「周りの女の子が〇〇(女子が好むとされるもの)を目指す間、僕は〇〇(男子が好むとされるもの)を目指していたから、僕は男なんだ」っていう文脈の主張はちょっと同意できないなぁ。と共に、男はこういうもの、女はこういうものっていう社会全体の幻想が強いとそこから外れる人はかなり辛いと思った。“女性らしい”趣味を持つ男、“男性らしい”趣味を持つ女もいるということ。文化的価値観から性別を決めるをやめないと生きづらい人は一向に減らないと思うな〜。
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