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アバウト・レイ 16歳の決断のyukacafeのレビュー・感想・評価

アバウト・レイ 16歳の決断(2015年製作の映画)
3.8
不器用でも自由に、自分に正直に生きることの素晴らしさを描いたこのような作品は、手放しで大好きだ。

何と言っても、レイを演じたエル・ファニングが圧巻。これまでは妖精にも小悪魔にも、少女にも大人にもなり得る不思議な存在だと認識していて、どこか遠くにいるような、手が届かない存在だったが、今回の役はとてもリアルで、自然に感情移入できた。複雑な家庭環境の中で、トランスジェンダーとして苦しみながら生きる姿を上手く表現していた。

3世代の女優が揃うシーンでは必ず何かが起こり、ブラックユーモアもはらんだ会話の応酬にわくわくした。ナオミ・ワッツは代表作の数々を未見だということもあって、きれいでも特徴のない女優というイメージだったが、感情を剥き出しにするシーンではぐっと心を掴まれた。スーザン・サランドンとリンダ・エモンドのどこか達観したようなキャラクターも魅力的だった。
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