まめもやし

ビリギャルのまめもやしのレビュー・感想・評価

ビリギャル(2015年製作の映画)
4.0
試写会に当たりラッキーなんて思っていた程度の、正直あまり期待はしていなかったけれど、予想以上にいい作品だった。

原作は読んでいないのでどこまでが本当なのかは不明だが、この作品が良いものとなっているのは主人公が慶応に合格できるまでの過程よりも、主人公を取り巻く人間関係に重きを置いている点だと感じた。主人公の努力はもちろん、塾講師の生徒に対する深い理解、母親の支え、友人たちの思いやりなどなど。特筆すべきは吉田羊演じる母親の、家族を思う気持ち。父親が自分のかなわなかった夢を息子に託すあまり、周りが見えなくなってしまっているのだが、母親はしっかりと自分の家族全体をしっかり見ていて、自らも夜勤して苦労しながらも家族を支える姿は感動する。

タイトルの通り、最終的に慶応大学に合格することは分かっているのだが、結果発表のときの緊張感、そして合格した喜びは素直に伝わってきたのがよかった。有村架純もギャルと言っても非行に走ったりハチャメチャするギャルではなく、何とも愛らしいギャルで、観ていて苦痛ではない。そんな苦労した娘も大学に合格し、旅立っていく。そう考えると何とも親というものは大変だな~と思ったり。受験したことのある人は共感して感動する場面もいくつもある。

ラストの歌の入り方は気持ちいいもので、さらにはサンボマスターだと気付き、伊藤淳史とのつながりを感じ、出演者の楽しそうな歌い繋ぎにほっこりしつつ爽やかに幕を閉じ、爽快感が残る。

「意志あるところに道は開ける」

若い人に観てほしい前向きになれる映画。
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