佐々木ずまお

神々のたそがれの佐々木ずまおのレビュー・感想・評価

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
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この映画においては白という色が神の顕現を形象化してるのだろうか。ルマータが着ている服の白がすごい浮き上がって見えた。観客からすれば火花や閃光、炎も全くの白なんだよなあ。それから全編に漂っている霧も。
白が神性の表現ていうのもまあなんというか記号論的すぎるけど。
逆に血は完璧な黒に映る。ラスト近くでルマータが血を浴びる姿は真っ黒なタールを浴びているように見える。それはつまり、神の死を意味するわけで…。
というとこまで考えたのだけど、こじつけすぎるか…笑
物語的にはさっぱり理解が追いつかなかったからか記号的な読み方にとらわれ過ぎちゃったな。

汚物感が重なっていくにつれて自分の中の何かが解放されていく気分になった。
被写体とのキョリが近いせいか観ている間はぶっちゃけ苦痛だったけど、今また観たいと思ってしまっている。
映画が如何に被写体と節度あるキョリを保っていたのかを思い知られるっすね…。