神々のたそがれの作品情報・感想・評価

神々のたそがれ2013年製作の映画)

Hard to Be a God/Трудно быть богом

上映日:2015年03月21日

製作国:

上映時間:177分

3.8

あらすじ

人間が、神になる惑星 舞台は、とある惑星の都市アルカナル。地球から800年ほど遅れ、中世ルネッサンス期を迎えているかのようなこの地に、地球から科学者・歴史家らの調査団が派遣された。しかし彼らが目にしたのは、権力を持った商人たちによる圧政、殺戮、知的財産の抹殺であり、20年が経過しても文化発展の兆しは全く見られない。地球人の1人、ドン・ルマータは、知識と力を持って現れた神のごとき存在として惑星の人…

人間が、神になる惑星 舞台は、とある惑星の都市アルカナル。地球から800年ほど遅れ、中世ルネッサンス期を迎えているかのようなこの地に、地球から科学者・歴史家らの調査団が派遣された。しかし彼らが目にしたのは、権力を持った商人たちによる圧政、殺戮、知的財産の抹殺であり、20年が経過しても文化発展の兆しは全く見られない。地球人の1人、ドン・ルマータは、知識と力を持って現れた神のごとき存在として惑星の人々から崇められていた。だが、政治に介入することは許されず、ただただ権力者たちによって繰り広げられる蛮行を傍観するのみであった…。

「神々のたそがれ」に投稿された感想・評価

TK

TKの感想・評価

3.7
白黒の映像に少し違和感を覚えて、調べてみたら割と最近の映画で驚いた。とにかく出演者の皆さんお疲れ様です。
うの

うのの感想・評価

4.5
神はつらい

_
ところで 聞きたい
仲間にを土地与えても
奴隷のいない土地など誰が喜ぶ
そんな土地を誰が欲しがる
奴隷無しだ
結局は新しい奴隷が現れる
新しい処刑台も
新しい抑圧者もだ
全部 繰り返される
新しいアラタも現れる
だが神は無力なまま
滅入る

無力な者は
力なく腕を垂れ
タコの心臓の場所も
心臓の有無も知らず

_
混沌と無秩序、雑踏の響き、未開の汚さ。
全てが薄汚い。
 汚濁に清浄な水を一滴垂らしたとて大した変化は見られない。水を浄化するには一滴一滴土を浸透して濾していかなければならない。混沌の中にありて己だけが清浄であり崇高であろうとすることは恐ろしいほど成し難いものだ。

・鎧の肩口に載っている竜っぽい飾りがなんだかお間抜けさ満載でとったほうがいいんじゃないかと思ったり
・お尻プリプリ
・いろんなタイミングで志村後ろーってなる
・KOE-DAME
・甲冑とボウガン
・ソプラノサックス

_
確実にその場所が存在しているかのような世界観作り。
群衆に混ざっていく視点、思わぬほど近い距離から向けられる視線。
映画というより何だかタイムスリップでもして混沌の中に身を置いているかのような現実と非現実の間。

合間合間で演奏されるサックスの音がいい。サックス弾けるようになってみたいなあと思い続けて早数年。
空前絶後二十一世紀最高傑作。


人間が神になる惑星アルカナル。
地球から800年ほど遅れてルネサンスを迎えた。
だがこの惑星を見て、誰もルネサンスが訪れているとは思わないだろう。
地球からは30人もの調査団が派遣されるも、知識人は時代の流れとともに排除されていく。

ソ連の巨匠アレクセイゲルマンの遺作であり、原作は『ストーカー』のストルガツキー兄弟。
完成を前にゲルマン監督は亡くなってしまい、完成のために奥さんと息子が後を引き継いだという。
本当の意味で、監督の全てのエネルギーが詰まっている作品だと思う。


画面一杯にひしめき合う人々をカメラは追い、肥溜めのような汚らわしさを何の迷いもなく映し続ける。
ソ連時代から、政府からの圧力により思うように映画を撮ることができなかったアレクセイゲルマン。
そんな彼のソ連に対する苛立ちや怒りが本作には溢れ出ている。

本作には説明がほとんどない。
観ているものを試すかのような挑戦的な作品であり、監督のエゴのような作品にさえ思える。
だが、ソ連という国の映画は古くからそうであったように、商業的ではなく非商業的な芸術性を追求してきた。
ソ連の検閲から逃れるためにも、深い部分にメッセージを練った作品は、観客に充分なまでの時間を与えながら、理解させることを拒むような強烈なインパクトを与えている。


地球からの調査団は自分達の世界と同じようにルネサンスを開拓しようとする。
一部では地球よりも優れた歴史を作り出そうと思い描いていた調査員もいたかもしれない。
だが、知識人が排除されていくなかで暴力や無秩序が満ち溢れた世界とどう闘えばいいのか?
神のように崇められながらも、大多数の人民により思うような世界を生み出すことはできない。
たとえ神であったとしても、世界を動かす人民の多くを善い方向に導いていくことは不可能。

「壊すことは簡単だ。だが痛ましい。俺にはできない。」
自然災害を神の行いと感じている人間にはなんとも印象深いセリフだ。


ただの架空の惑星ではあるのだが、結局のところ地球でも同じような出来事は起きている。
古くから人間たちの争いは絶えない。近年でも戦争やテロなどはその最たる例だろう。
つまりは大多数の人間が存在している時点で争いというものは無くならない。
人間とは惑星が変わろうが、時代が変わろうが過ちを犯し続けるのだ。
その過ちを認めず、いつしかその出来事を神のせいだと嘆く。
学習しない人間を見て、神々はたそがれている。
人間は愚かで醜いものなのだと。
たとえ滅ぼし、再生したとしても同じ過ちを繰り返すと。


カメラに時おり目線をおくるアルカナルの人間たち。
いつしか観客自体も神の目線になっていることに気づかされる。
だがその痛ましき世界を僕たちはただ傍観することしかできない。
それは力のない民衆であり、人間の行いを正すことができない神に等しい。

糞尿が垂れ流され、至るところに死体が転がり、血や唾が吐き捨てられる。
そんな惑星はまるで肥溜め。ゴミ捨て場。
そんな汚れた惑星でも人間は生き続け、生活している。
だが時として、輝く瞬間も訪れる。
ほんとにわずかな瞬間でしかないんだが、その瞬間の全てが美しく映る。

これが作られただけでもすげぇし、これから先も生まれる気がしない。
ちなみに二十一世紀最高傑作は、煽り文句。
もちろん偉大な作品であるわけだが、人によっては二十一世紀最高傑作となり、人によっては二十一世紀最低傑作となるんじゃないかなあ。


3時間もの鑑賞時間が終わった頃、肉体的にも精神的にもとてつもない疲労が襲いかかってくる作品。
神の疲れが観客にまで襲いかかる。
完全に観る人を選ぶ映画だが、アレクセイゲルマンの遺作として非常に熱が入っている作品。
観るなら覚悟が必要。
あと息子のジュニアも監督としてデビューしてるみたいだね。彼の作品も気になる。
dude

dudeの感想・評価

3.9
よく分からんが恐ろしい。
こちらを見て何事か話しかけてくる登場人物たちに巻き込まんでくれと言いたくなるが、否応無しにその場に居合わせてしまった感覚だけが延々と続く。
物凄く肩が凝る映画だった。
お腹いっぱい体験した的な意味を込めて、食べログで「美味しい店っぽい」と思われるボーダーラインの3.5をw
ほし

ほしの感想・評価

-
おそロシア……。

シークェンスショットの限界に挑む点で『8 1/2』。
ゲルマン監督作品

地球とは異なる惑星アルカナル。そこは地球よりも文明が800年ほど遅れており、そこへ地球から学者が30名ほど派遣されて調査を行った。数年調査を進めるが、文明は発展するどころか、むしろ後退していった。商人が支配し、逆らうものや知識人は次々に殺されていった…

ものすごい映画を観たという印象
全編モノクロでしたが、そちらの方が良かったかも。糞尿とかゲロ・唾というような汚いものが次々に映っていくので…

時間も180分程度あるので、眠気との戦いになってしまった…
habtex

habtexの感想・評価

5.0
やばい。こんな映画観たことないし、多分類似する作品は一本もない気がする。プロット自体の流れは『エル・トポ』等に繋がるものもあるけど、そういうことではなく!

どこまでも語れるけど何から語りたいかまでもめちゃくちゃにしてくる。

劇中での唐突なカメラ目線およびカメラの前での身体の不可解な動きは、単なる異化効果ではなく、物語の中に明らかにカメラを存在させ、それがそのまま観客の存在に移り変わる。我々もその場に存在し、その空気を吸って吐き、彼らの顔に手で触り、泥の地面を歩く。当事者なのだ。我々の信仰・信条・あらゆるものに対するあらゆる価値観を総動員して、立ち向かわねばならない。
映画の中に生きる彼らもそのようにして存在している。
狂気と闘い、沈黙する神と闘い、他人と触れ合い、からかい合い、酒を呑み、排泄して、差別して、否定して、葛藤して、そして殺す。
この殺すってことが、どれだけ生物の行動におけるエラーなのか、最後には突きつけてくる。しかしそれにすら、必然性や必要性を感じてしまう。

『ニーチェの馬』が、窓から人間の動物としての業を覗き見る作品とすれば、

『神々のたそがれ』は、至近距離で人間の人間としての業をgazeする作品だろう。

まだまだ感想出てくるけどこれくらいで。
素晴らしい夜だった。新文芸坐さんありがとう。
mstr_kk

mstr_kkの感想・評価

1.0
新文芸坐のオールナイトにて。あえていいたいのですが、最悪でした。大嫌いでした。非常にきたならしくて気持ち悪く、いちいち不快感ばかりおぼえ、まったく楽しめませんでした。画面に映るすべてのものが、とにかく嫌いで仕方がありませんでした。若松孝二以来の感覚。こんなにも苦痛と嫌悪感を与えるというのは、逆にすごいことかもしれません。
dramatica

dramaticaの感想・評価

4.5
通俗性を画面から完全に排することに成功したひたすら贅沢な3時間であり、阿片窟に迷い込んだような困惑と疲労を抜けると、この映画の誕生を祝福せずにはいられなくなるだろう。
>|