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神々のたそがれのレスターのレビュー・感想・評価

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
3.0
画面の人口密度が高く、横槍が入る騒がしさ。
雨と泥と、汚物の匂いまで伝わってくるような、人物に極限まで近づいた構図。
謎の楽器。
画面と音に圧倒され、大型台風が過ぎ去るのを耐えているような感覚だった。
今年の爪痕映画大賞の有力候補だ。

タルコフスキーのような透明感を想像してたけど、寧ろ真逆の方向性でかなりカロリー消費した。
画面の構図は、タルコフスキーが動的になったらこうなるだろう、と思うところも。
なので長回しは必見。
何が飛び出すか油断できない。
汚物はまだ耐えられるが、内臓だけは個人的にちょっと…

神になろうとしてなり切れない、人間の愚かさ、浅ましさを描いていて、同時に支配の恐ろしさも感じる。
SFの設定だが、この世の地獄を描いているんじゃないかと。
神も観てる側もしんどいが、たまにはこういう映画も必要だと言うことで。