松島百景

SHARINGの松島百景のレビュー・感想・評価

SHARING(2014年製作の映画)
3.0
この映画の題材は「3.11」。だけどだからと言って身構えたりすることはありません。描かれるのは人間として普遍的なテーマ。そしてエンタテイメントな手法。

あれから5年、皆様どうしていますか?僕は相変わらずです。熊本で大きな地震が起き、「被災地」という言葉が東日本の太平洋側を指す言葉、という無意識な共通認識も薄れつつあるように思います。

そんな今だからこそ(製作年は2014年のようですが)観るべき映画なのかもしれません。


以下蛇足。

僕は今までこの手の3.11を題材とした劇映画やドラマを避けてきました。完結していない現実問題にフィクションを重ねる必要があるのかと。
やるなら20年後とか30年後とか、なるたけ多くの方々の心の傷が癒えた頃にしませんかね、と。

じゃあ何故この映画を観たのかというと、ほんとにただただ、5年経ったから。被災地への意識はおろか、防災についてもおろそかになるほど時間が経って、映画はどんなアプローチをするのかに興味がありました。

単純に映画としてのクオリティの高さにホッとしました。暴論になりますが、題材が「3.11」でなくて、「阪神淡路大震災」でも成り立つように思う。自然災害ならなんでもいい。原発事故もからむけど。つまり映画が3.11に寄りかかっていない。

偉そうに書きましたが、僕はそれだけでこの映画に好感を抱きました。

とはいえまだ真っ当にこの映画の感想を書くことができません。どう評価すべきか、本当は悩んでいるんです。このへんで終わりとします。


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最後になりましたが、今も多くの方々が生活を取り戻せていない、東日本大震災の被災者、そして原発事故の被害者の皆様に、心からお見舞い申し上げます。また、熊本地震で今も大変な思いをされている皆様にも、1日も早い復旧と復興を心より祈っております。

(2016.5.4. テアトル新宿にて鑑賞)
松島百景

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