薪

SHARINGの薪のレビュー・感想・評価

SHARING(2014年製作の映画)
3.8
爆音上映祭にて(短編『They still live』上映付き)

これは恐るべき力作。
変な話、111分間で作り手が気を抜いているだろう瞬間は1つもない。
どのシーンでも「何かしてやろう」という気迫で満ち満ちており、それが映画的な緊迫感に直接結びついている。
例えば冒頭の、亡霊のような人影を追いかけるシーンの、あのシーソーのように揺れるカメラだったり、チャイムの音とともに一斉に現れる大量のエキストラだったり、現実と虚構が、生者と死者が画面で交わる瞬間はやはり興奮する。
上映後のトークで、監督が3.11といったテーマにはほとんど触れず、ひたすら楽しそうに画の撮り方や音の撮り方を語っていたのがナイスだったのだけど、いやそれこそが映画作家なのだなと。
社会的なテーマを「物語」で語るのではなく、「映画」で語ったことに大いなる意味があったように感じた。
(ちなみに前日に観た『黒衣の刺客』爆音上映も最高だった!)
薪