鹿江光

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカの鹿江光のレビュー・感想・評価

3.5
≪70点≫:別々の道で正義を貫く。
ヒーロー映画を観ながら、誰もが一度は思うことだろう。街壊しすぎ、犠牲者多すぎ、やりたい放題やりすぎ。いくら悪者を倒すためとは言え、代償がでかすぎるのではないか。「大いなる力には大いなる責任が伴う」はずなのに、その責任が美化され過ぎているのではないか。
ヒーローの活動を政府管理下に置く。行動の自由は制限されるが、その分市民への影響を最小限にできる。しかし裏を返せば、許可が下りないと市民や街を助けることができない、というリスクもある。法が生む正義と犠牲。そんな「スーパーヒューマン登録法」に対し、アベンジャーズをはじめ、ヒーローたちがそれぞれの立場で、己の正義に従って行動し、必然的な内戦が勃発してしまう。
とまぁそれが本作の主軸なのだが、話が進むにつれて、個人の私情やその他諸々が複雑に絡み合って、「いったいこいつら何のために争ってるんだっけ…」と混乱してしまう場面もあった。お祭り感覚で参加しているヒーローもいるかもしれない。
観ているこっちは完全にお祭り状態。アベンジャーズの続編と言っても過言ではない本作では、とにかくヒーローたちの持ち味が存分に出ている。特にお初のブラックパンサーやスパイダーマンは強烈な印象を残している。前者に関してはビジュアルも個人的にはかなりツボ。とってもカッコいい。スパイダーマンもかなりコミカルで、それでいてパワフルな戦い方をしている。若さってすごいね!
アントマンなんかは、かなりデカい見せ場があって良かった。ファルコンもスーツ新調してめちゃ強いし、スカーレットウィッチのおっぱいが気になるし、ブラックウィドウのお尻が気になるし、弓使いに関しては、周りがすごすぎて素人感が増している。
ただ敵サイドの印象はやや薄め。クロスボーンズやバロン・ジーモなど、名だたる悪役が登場してはいるが、いまひとつ存在感を放たずに終わっていく。これもまぁ仕方のないこと。
とにかく一度で二度、いや何度でもおいしい作品。これだからヒーロー映画はやめられない。
鹿江光

鹿江光