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ブラックパンサーのFMLのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
5.0
ただの娯楽映画の域を超えてるよなー、これは

スーパーヒーロー映画初の、アカデミー作品賞にノミネートされたのも納得の見応え

平和のためには、守るためには戦わないといけない、そんな世界の真理を真っ向から描いて、正義 vs また別の正義というわかりやすい構図で、余計な要素がないのも観やすさに拍車をかけてる

そして、これだけ全キャラクターに魅力がある映画も珍しい
こいついらんやろってキャラがまじで1人もおらんのよ
ブラックパンサーことティ•チャラ(チャドウィックボーズマン)はもちろんのこと
基本的に頼れる仲間しかおらんことによって、テンポを崩すことなく進んでいく

まぁ主要キャラぐらいは触れておくとして
ナキア(ルピタニョンゴ)
オコエ(ダナイグリラ)
シュリ(レティーシャライト)
全員頭脳的にも肉体的にも優れてて、しかも絶対こいつらは裏切らんっていう信頼感もある
しょーもない裏切りでテンポを悪くする映画がほんまに多いからな
これは何気に結構でかい

アフリカで密かに超文明を築いたワカンダ国
その舞台設定も素晴らしい
見た目は、いかにもな民族衣装に身を包んだアフリカ人が超高度なテクノロジーを駆使して武器を作ったり移動したり治療したり、はたまたスパイ活動もする
けど世界には途上国と思わせてる──
エモすぎるやろ、さすがに

エモい要素はまだある
白人のCIA、エヴァレット(マーティンフリーマン)が味方であること
大抵この手の映画は、味方 vs CIA vs 敵みたいな三竦みになんねんけど、この作品は完全に味方
まぁ映画的にはその方が(三竦み)盛り上がるのかもしらん
けどやっぱりどうしてもテンポが悪くなるし、時間も長くなってしまう
それを排除して、頼れる仲間にしてしまったところはこの作品の質を大幅に上昇させてると思う

ヴィランもかなり強力で、完全に悪に徹したキャラ、クロウ(アンディサーキス)
アンディサーキスのイカれた演技がヒーロー映画の域を超えて、クライム映画としても充分な深みを出させてるといえる

ここでもうひとつのエモい要素
黒人と白人が韓国でカーチェイスするという狂気的なシチュエーション
しかも黒人は高度な文明を持つスーパーヒーローで白人はなぜか腕が銃になってるカオスっぷりやからな
アクション映画のカーチェイスなんか見飽きてるけどこのレベルになると否が応でも上がらざるを得ない

ヴィランの話に戻ると、キルモンガー a.k.a. ウンジャダカ(マイケルBジョーダン)が最高にラスボスしてるのよ
ラスボスはやっぱりこうあるべきやねん
金に目がくらんだとかただのクズとかそんなんじゃないねん
彼には彼なりの信念があり、正義がある──
だからこそ観てるこっちも心躍るわけよ

正義 vs 悪もええけど
たまにはこんないろんな形の愛が垣間見える重厚なドラマ映画もええんちゃうか?

ちなみにアカデミーにノミネートされた年の他の作品を見てみると
グリーンブック(受賞)、ボヘミアンラプソディ、女王陛下のお気に入り、ローマ、アリー/スター誕生...

相手が悪すぎたなブラックパンサー

まぁ落ち込むなって。
そんな時は、この言葉を叫んでスッキリしよ

ワカンダフォーエバー!!!!
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