地球のお魚ぽんちゃん

ブラックパンサーの地球のお魚ぽんちゃんのレビュー・感想・評価

ブラックパンサー(2018年製作の映画)
3.9
古代文明と未来文明のミックスの巧さ

「発展途上の農業国」とされる“ワカンダ”は、実は地球上でもっとも発展した超文明国。
その発展を支えるのは、ワカンダでしか採れない絶大なパワーを持つ鉱石「ヴィブラニウム」。
ヴィブラニウムを悪用させないようその存在を隠し、世界に対して中立の立場を守ってきたワカンダに危機が訪れる。
国王に即位したティ・チャラは、王として国を守るのか。
それとも漆黒のヒーロー“ブラックパンサー”として戦うのか。


まずワカンダの設定に、自分の中の小学生男子が超興奮。
一見放牧的に見えるアフリカの大地が実はホログラム加工されていて、見えないところに超絶先進国が潜んでいる。
そんなの興奮せざるを得ません。超行きたいもん、ワカンダ。

そして良かったのが、古代と未来の融合具合。
ワカンダの国王として即位するには“儀式”が必要で、決闘に勝たなくてはいけない。
そんな古代的なことを大真面目にやっている反面、ヴィブラニウムによって発展した最先端技術を用いて国王はスーパーヒーローにもなれる。
このちゃんぽん具合が、たまらなく最高。
もちろんその中でも現代的な要素はきちんと抑えており、地に足のついたSF感も良い。

本作でマーベル映画デビューをしたんですけど、とことん観客の気持ちよくなる方法を心得ているなと思いました。
正義が勝つまでの適度な紆余曲折具合と、嫌味のないご都合主義に素直に笑顔になれる。
葛藤の描き方も厚かましくなくて、キャラクラーの動かし方は爽快で無駄がない。
そりゃあんなにたくさんの名ヒーローたち生まれるわ。
主人公は男性だけど、脇を固める女性陣の逞しさも頼もしい映画だった。


【個人的に琴線に触れたシーン】
・BGMの良さ。アフリカンテイストの中にクールでスタイリッシュな現代っぽい音が入ったりしてて良かった~。
・韓国でのカーチェイスシーンの、ブレードランナー的な未来都市感も良い。ネオン街を爆走する黒光りのレクサス。さらに遠隔操作でそこにはいないドライバーが車両を操るシステム、なんとなくエヴァ感があって日本人にはたまらないのでは。
・キルモンガーのキャラデザ必見。初登場シーン、服装や出で立ちにグッとくるよ。

以上です