kazu6279

アベンジャーズ/エンドゲームのkazu6279のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます



MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の集大成にして最終章。

前作、「AVENGERS INFINITY WAR」は当初、PART1,2にて上映を予定していたが物語が大きく異なるとのことでそれぞれ独立となった模様。

多くのMCUファンの方々や、メディアは本作を大絶賛し発信。
僕もその中一人でMCUは当初から鑑賞し、MCU各々の作品の多様性をリアルタイムで鑑賞し、感銘を受けた次第です。

しかし本作は僕個人に関しては絶賛されている方々程の熱量ではなく、どこかもどかしさが募る作品に写ってしまった。

「ストーンを集めて、指をならす。」この行為は前作「INFINITY WAR」で散々描かれ結末は多くの観客に絶望を与える。。

ディストピアと化した地球で前者の行為を再び実行し、本作は元に戻すというのが物語の大きな推進力、登場人物の行動原理、勝因のカギとなっていますが、サノスからアベンジャーズ側へと集める側がシフトしただけであり、結果論ではあるが、個人的にはこの推進力そのものが新鮮味を欠く大きな要因になってしまいました。


ストーンを再び収集する過程もやや既視感がある。MCUには珍しい「集団強奪」映画のエッセンスを取り入れながらも過去作の上塗り、直近の前作「INFINITY WAR」での過程をほぼ踏襲した場面も見受けられる。


合間にセンス溢れるコミカルな場面を挟むのも悪くはないが、人類を再び再起させる責務を背負う内は緊張感を保って欲しかった所です。
正直、この収集過程がやや長すぎと感じ戦闘の尺が短くなったのは致し方ない。

終盤、決戦シーンでもピンチの時に援軍、そして強大な一個人の登場で戦局が大きく変動という手法も前作の踏襲といえます。
終幕に至る過程の成り行きで、勝敗の肝となる決定打を阻止しそれをやり合うと行為はまたしても前作の踏襲、或いは厚化粧という風に感じてしまったのは否めない。

僕のように前作の衝撃の度合いが大きければ大きいほど、本作の既視感が如実に脳内に現れる方も少なからずいたのではないだろうか

そしてサノスは前作では、独裁者イズムでありながら、普遍的、哲学的な思想、宇宙への「救済」を発動させるべく行動する、非常に濃密なキャラクターでしたが、本作では単なる凶悪な倒すべき敵。勧善懲悪。「前作で描ききった」と言われればそれまでですが、薄味だったのが正直な感想です。

これ程良くできた作品、そして僕自身MCUファンであるからこそ冷静な視点で客観的な視点、映画館でわざわざお金を払い鑑賞し、印象をいい方向に無理矢理納得させる損得勘定抜きの視点で向き合うのが必要と感じた次第だ。
全ての集大成、あまりの期待値の高さ、上がりすぎたハードルが僕の中で重荷になってしまったかもしれません。


粗探し文句ばかり書きましたが、しかしAnthony Russo 、Joe Russo 監督のキャラクター 一人一人の描き混み、カメラワーク、下手なご都合主義に走らないことや、踏襲ながらもストーリーそのものは非常に筋が通り、ロジックがしっかりし、混乱するということはまずなく、極めて秀逸な物語であることは間違いない。

前作には登場しなかったキャラクターも再登場し、アントマンのユーモア。
ホークアイの卓越した戦術も見所。

そして長きに渡りアベンジャーズを率いたメインキャラクター達各々にそれぞれの結末を設け、誰しも胸打たれることは間違いなく、ご都合主義に走らない、走らせない、純粋なハッピーエンドにはなり得ない。悲しくもありながら納得の着地、細部に渡る秀逸さの局地といえる。


個人的には前作程の衝撃ではありませんでしたが、MARVEL STUDIOがMCUファンに向けた最高の感謝の証といえる作品でしょう。


「でも大好き」これにつきます
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