MURANO

プリデスティネーションのMURANOのレビュー・感想・評価

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.8
イーサン・ホークスが時空警察を演じるSFサスペンスのイメージで見始め、冒頭の爆弾魔とのチェイスで掴みはOKかと思ったら・・・

そこからまさか、バーにて性転換をした元女性の青年の人生語りを長々聞くことになるとは。かなり頭が???となりました(笑)

この波乱万丈の人生、かなりのドラマ性があるので興味深いのですが、バリバリのSF映画観るつもりで観てるので、なんでずっとバーで飲み語りしてるねん!って素直に戸惑いました、僕は(^^;

ただ、終盤の3分の1で、展開が一気に加速して、時空を跨いで跨いでのSFモード全開に突入し、すごい勢いで面白くなっていく。

バーでの飲み語りも、見事に設定に繋がってるので、あそこむっちゃ意味あったんじゃん、とここでやっと気づくという。

終盤の畳み掛け方と、それを可能としたSF設定の面白さは見事でした。

でも、その設定の面白さで見せ切った映画で、実はもっともっとエモーショナルな作品に出来たのかなとちょっと惜しい感じもしました。

ドラマ性溢れてまくりの人生ゆえ、愛も苦悩も、いろんな感情が描けたはずと思うと、サクっと観れる短い上映時間だったことが勿体無かった。

クリストファー・ノーランの映画っぽい題材だけど、彼の映画のように2時間半の長尺でやったら、さらに内容が深まった映画になったかもしれません。
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