ナナ

プリデスティネーションのナナのネタバレレビュー・内容・結末

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

文句無しに面白い映画を観た。
・90分の映画だが体感60分
・会話劇で成立するSF
・脚本、演者、撮影、美術、素晴らしい
・性別が移行するキャラクターがストーリー上で重要な役割を担う。

この物語は、予言の成就という意味でオイディプス的悲劇でもあるし
この物語の設定はホラーにもコメディにもなりえると思う。
でもこの映画では、予言の成就を、本人が生ききっていることに、愛していると言い切ったことにぐっときた。

台詞、字幕も、とても良かった。

「俺たちにはこの職しかない(この職のために生まれた)」
「私は女として疵物だ そして男になってまた途方にくれた」
「勘違いするな 服装や話し方のことじゃない 便所を間違えるのもどうでもいい どう生きればいい?どんな仕事が? 商売には疎いし運転もダメ 私の心を引き裂き人生を壊した男が憎い 命で償わせたい(he deserves to die)」

「絶望して過去にすがってたんだ 昔から変人扱いはされたが実際そうなった 実験動物の気分だ」
「気の毒に」
「ああ」
「心から言う」
「同情の言葉なら散々聞いた もう結構だ」
「なら何を望む?」
「皆は何を?」
「愛だ」
「愛なんか要るか 目的だ」
「目的?ないのか?」
「探してる」
「愛も目的になる」
「ヒッピーのたわごとだ」
「憎む方が楽だと?」
「ああ 壊す方がな」
「殺しか 殺せるか?」
「たぶん お前の目の中にも憎しみが見える 強い痛みが」
「そうだな」
「前に進まなきゃクソの川に溺れちまうか だよな とにかく私は怒って嘆き続けるより生き抜く道を選んだ」

「一曲弾くのか?」
「お前を過去に弾く」

「私に選択肢は?」
「もちろん常にある」
「だが宿命ってやつもある」
「それなら俺も考えた」
「この生き方は孤独か?家族は?」
「いない だが目的は手にできる」

「難しい選択を迫られ過去を動かす 未来を変えられるかはわからない ひとつ確かなのは お前は最高だってことだ お前がひどく恋しい」
ナナ

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