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プリデスティネーションの2049のレビュー・感想・評価

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.1
原作はロバート・A・ハインラインのSF小説『輪廻の蛇』とのこと。時間が短くて気軽に見れそうなアクションをと思ってレンタルしたら気軽に観るような映画ではなかった…パッケージが銃を持ったイーサン・ホークに「時空に逃げても追い詰める」っていうコピー…荒唐無稽なSFアクションだと思うでしょ…

原作の邦題『輪廻の蛇』がストーリーを見事に語っていて素晴らしいタイトルだなと思う。バーのシーンでは「俺はいったい何を観ているんだ?」という疑問符と、多分そういう話なんだろうなという予測が交錯して頭痛がしてくる。絶妙に散りばめられたヒントを紐解くとかなり早い段階でオチまで気づくことが出来そうだが、そもそもミステリーの部分には主眼を置いた映画ではないのでオチが分かったらつまらないというものでもない。

一人の人間の奇妙で残酷な人生に焦点が当てられたドラマというのが一番強い印象であり、監督も実際そこを狙っていると思う。
ただオチに気づいてから頭の中にずっと浮かんでいた疑問符が最後まで解消されることなく終わり、面白いと思う余裕がなかった。その疑問符というのは、『始まりはいったいどうなってるんだ?』ということだ。卵が先か、鶏が先か…劇中でも語られるセリフであるが、この部分が引っかかってどうも映画を楽しめなかった。

バーテンと未婚の母の名前が、ジョンとジェーン(名無し)なのは世界の理から外れた人物であることを表現するためなのだろう。

非常に特殊なSFドラマであり、後にも先にもこんな映画はなかなか出てこないのではないかと思う。
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