のり

スポットライト 世紀のスクープののりのレビュー・感想・評価

3.8
教会の児童虐待隠蔽というスキャンダルを新聞社チーム「スポットライト」が追う。

あくまで実話が基になっていて、新聞社の社員たちが黙々と仕事に没頭する姿が淡々と描かれているので、地味な作品ではある。
しかし真実を追求する、タブーに触れるというのは痛快で心地よい。新聞社の仕事も社員が忙殺されるものの魅力的に映る。彼らの中には突飛的な人物はいない。しかしそれ故に、その自然な演技が難しいが俳優陣たちの演技は素晴らしかった。

またタブーに触れることだけでなく、新聞社や街の人々がこの事実を知っていながらやり過ごしてきたことを棚上げしていない作品としての姿勢に好感が持てる。

不満な点としては、史劇と違って、現在でも被害者がいる問題を扱っているため、配慮は所々されていて、それが仕方ないとしても物足りなさを感じる。
教会を暴いていく過程で、神父や
カトリック関係者がほぼ出てこず、教会側が描かれてないから悪事の大きさが伝わりにくい。
またこの事件を調べようとした動機も局長の気まぐれでしかなく薄い。
これらの描き方は視聴者がカタルシスをあんま感じなくなるんじゃないだろうか。

でもまぁアカデミー賞に相応しい出来だと思う。
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