村著

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生の村著のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作の冒険活劇を期待して観てしまったのでそこらへんは肩透かしかなぁ。ダンブルドアも直接戦いに出てきたわけではないし…ナギニがなぜあの秘密の扉を守ることになったのかまで解き明かされるのかと思ったら、触りで出てきただけだったし…。ただ、ナギニ役の女優さんは綺麗で好きでした。魔法世界のサスペンスと群像劇といった感じ。根底にあるのは差別と偏見と、恐怖による大衆扇動の危険性、それに対抗する正義の在り方(これは時代背景もあるかな…)
ハリポタシリーズ(本)と前作を復習してから観たほうがいいかも。IMAXでみましたが、前作ほどは圧倒はされなかったかなぁ…構成がダラダラしてるというか、物語が複雑だったようにも思う。描きたいことが沢山あったんだろうなぁ…と思える映画でした。

2018/11/28追記

いろんな感想を見て整理したつもり。

今作の主人公は表向きはニュートだけども、裏はダンブルドアだ。悪役としてこの二人に向き合うのが、表向きはグリンデルバルトで、裏はクリーデンスといった構成。

そしてもう一つ、純血主義という枷の中で自己を認めてもらえなかった女(リタ・レストレンジ)の持つ、ほとんど誰にも顧みられなかった正義の最後と、正義の集団であるはずの魔法省幹部による不寛容という名の悪の残存…の対比かな(長い)



正義の側であるはずの魔法省にも裏切り者がいるのも、今作のダークさを象徴していると思う。

前作のラストで、その後の魔法界はマグルや魔法動物、そしてクリーデンスのような魔力を持ちながら自分が魔法使いだと知らない人(これってハーマイオニーもだよね)に対する寛容さを得たのか?と思ったら…。

全然そんな感じではなく…。イギリスやフランスに舞台が移ったので、旧態依然のままだったのかなぁ?

マグルはノーマジと言われ魔法界からは蔑視されつつ、同時に20世紀に急速に発展した科学力を持つ人々として恐怖の対象になった。(グリンデルバルトの巧みな話術のせいだけど)

グリンデルバルトはあの演説で、差別と分断を煽り、人々を不安にさせ、よく考えるとおかしな正義を語り、結果自分の支持基盤を固めている。

これは、あんまり大声では言えないけど…WW1後のドイツでユダヤ人を迫害するように扇動したヒトラーのやり口と似てるような…?

そして昨今の政治家にも、似たような人がいるような…

そう思うと非常に政治的な内容になるから、エンタメとしてどうなんだろうか?と思うけども…。

次回作以降の伏線を織り交ぜてるよな…ナギニとかクリーデンスとか…内容が濃くなった分、アクションシーンの派手さが無くなったというか…。

ダンブルドアがグリンデルバルトと戦えなかった理由も、ハリポタ復習しないと分かんないよね… 私もラストで成る程ねぇ〜??みたいな気分で見てました。
村著

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