何もかもが究極的

COMET コメットの何もかもが究極的のレビュー・感想・評価

COMET コメット(2014年製作の映画)
3.4
他人は所詮、思考する肉でしかない。愛だと感じるものは、たまたま自分の予想や思考に、相手が偶然同調できたに過ぎない。その偶然を人は特別視したがる。それは人生が何か意味のあるものだと感じたい願望があるからだ。
自分は特別で自分が生まれてきた事には、何か意味があるに違いない。それを感じ道具として愛を感じるという思想が生まれたに違いない。
しかし所詮は幻想なので、相手との同調も互いに努力し合っている内や、片方が相手に合わせようと努力しているうちは、どうにかなるが、それも力尽きると、2人でいる意味がないと感じる。
人は生きる意味を探す生き物で、たまたま愛という一見響きの良いテーマに依存しているのに過ぎない。
この映画では「愛には意味がある→幻想→愛には意味がある→」という永遠に終わらないループを繰り返す。それは自分がただの種の橋渡し役でしかないという事を受け入れられない男のジレンマであり、彼もまた自分の人生を意味付ける装置としてヒロインを利用しているように感じる。