じゅぺ

ヘイル、シーザー!のじゅぺのレビュー・感想・評価

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)
3.7
①コーエン兄弟最新作。黄金時代のハリウッドを舞台に、スタジオのなんでも屋が撮影中に誘拐された大スターの奪還に奔走する様をコミカルに描く。映画製作の裏とその闇を盛り込みちょっぴりブラック。訛りの取れない俳優に爆笑

②豪華俳優陣がどのようにストーリーの本筋に絡んでいくのか楽しみにしていたが、意外にもエディと接点があるだけのキャラも多い。面白く笑えるシーンは多かったけど、基本的に大スター誘拐には関係ないので、それを物語のまとまりのなさと捉えると低評価に繋がるかも

③登場人物はどれも濃く魅力的で一度みたら忘れられない。主役のなんでも屋はもちろんだけど、訛りの取れない大根役者は特に好き。チャイニング•テイタムが水兵の格好でタップダンスをするシーンもカッコよかった。あれでしっかり一本の映画を作って欲しい

④華やかなセレブたちの中心にいるのが本作の主人公でなんでも屋のエディ。地味だけど真面目。放っておいたら空中分解しそうなスタジオを頑張って維持している。まわりの人間がメチャクチャだから常に振り回されるし、ハリウッドの構造的な悪に嫌気がさしてもいる

⑤彼が時々口にするのが「映画で観客に夢を見せてる」という言葉。画面に映らなくても、彼は映画を支える大黒柱なのだ。ラストにみせるそのプロ根性に感動。とてもカッコよかった。いろいろあるけど、やっぱり映画が好き。そんな愛がたくさん溢れる作品だった
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