KIAI

心が叫びたがってるんだ。のKIAIのネタバレレビュー・内容・結末

心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて。

すごく惜しい感じで、個人的にはとても残念。
面白そうなあらすじなのに、テレビアニメでやれば良かったのに、と思う。
2時間弱では短すぎる。
(※試写会で観た映像は、まだ未完成な感じが強く、かなり粗かったので作画については言及しません)

嫌いなわけじゃないのに、家族とすれ違いが起きてしまって、自分の気持ちが伝えられない。好きな人と気まずくなってしまい、もやもやと後悔を抱えてる。自分が、人よりも秀でていることが出来なくなって、イライラする。自分がいなきゃ自分の大切な人は別れなくて済んだのに、と思い、当たり障りのないことしか言えなくなる。

どの気持ちも高校生くらいのときにありがちな感情で、一人一人にとってはとても重要な問題だと思う。
あの花しかり、そのくらいの年頃の人物をリアルに描くのはやっぱりとてもうまいが、そういった、自分にもあった体験を描くのは、共感と(同族嫌悪も含む)イライラのどちらに転んでしまうかぎりぎりで、個人的には、中途半端な描き方だったからこそ、イライラの方に転んでしまったのではないだろうか……と感じた。

テレビアニメ作品のあの花と比べるのは、違うのかもしれないが、やはり比べてしまう。あの花の栄光を引きずりながら、羽ばたけなかった感じがした。
あの花ファンとしては、あなるの友人たちが登場したりガリレオガリレイのサークルゲームを坂上くんが聴いていたり、というのは嬉しかったが、内容がピンとこなかっただけに、なんだかファンサービスをして客に媚びている気がする。

2時間弱じゃおさまりきらない内容だと思う。もっと上手いことやったら面白くなったろうに、と非常に残念でならない。
もっと色んなことが見たかった。

それから、卵の声優が内山昂輝さんなのはいかがなものか……? 二人とも王子様ではあるが、そこが同じである理由はないと思う。
個人的にはエンディングも、キャラクターが歌ったミュージカルなどにすれば良かったのに、と感じた。

本編の中で使われていたミュージカルのアレンジは素敵だったと思う。すっと耳に入って、心地良かった。
一人一人のキャラクターはとても愛せて、ひょっとすると順ちゃんはいじめられているんじゃないかと思っていたが、そんなことはなく、みんないい子たちで、不快感も、また不自然な感じも全くなかった。

色々と書いたがこの映画は、観る人の年齢によって、感じ方が変わる類のものかもしれない。自分は主人公たちとそう歳が離れていないので、過敏にイライラばかりを感じてしまったのかもしれないな、とも思う。

作画にまだ手を入れるそうなので、もう一度劇場に観に行こうかと悩んでいる。
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