このレビューはネタバレを含みます
「名曲は出し惜しめ!」
率直な感想
悪くない、が惜しい!
始まってからの数分、タイトルが出るまでのテンポ感
その後表札の1カットで一気に経年変化を表し玄関から出てきた成瀬順は無言で少し佇み周りの環境音も静か
マリーさん節も効いてるぞ!
良いぞ!良いぞ!
が、その後は徐々にテンポダウン
邦画独特の間なのか、それは悪くはないが起こる出来事に派手さがない故にどうもかったるい
ただ「とらドラ」「あの花」共に掴みはオッケー、からの足踏み、後半フルスロットルという構成だったのでわからなくはないのだけれど、後半やや退屈に
またなぜ退屈なのかというと語り口だけではなく、最後のあの曲のせいであるとも思う
最後の曲はアイディアといい、その曲自体の出来といい素晴らしく良い!
だけどカタルシスが生れないのは
その曲が最後に来て、しかもあの曲とあの曲のマッシュアップって知っちゃってるから
なんで途中でネタばらししてしまったのか…
元の二曲はすでに劇中で聴かされていて、しかも超有名な曲同士のマッシュアップなんだから最後だけ流れて段々気付くぐらいが良かった
ライブ前にセットリスト言ってから始めるDJはそうそういない
また同時に違うメロディー、違う歌詞を歌うから聞き取りにくいという問題もあって
なんか良い感じなんだけど…感動できそうなんだけど…という不完全燃焼感
せめて片方ワンコーラス歌ってもう一曲追いかけで歌えば良かったのにと思う
そしてヌルッとEDの乃木坂へ
派手な事をせず、描かず、淡々と語るのは好感が持てるが、裏を返せばそれは地味とも取れるわけで、それがいけないわけではないんだけど、アニメでは無くこれこそ実写、もしくはテレビシリーズ向きだったのではないかと思う。
あと尺が長い
これは正直90分台であるべき
長井監督の特徴でもある一瞬白コマ入れて「パン!」で時間が経つ手法をもっと多用しても良かったかと
小さくて暴力的な美少女と強面の優しい青年の恋である「とらドラ」
初恋の人が幽霊になって主人公の前にだけ現れる「あの花」と比べると
お喋りな性格が災いして無口になった少女の「ここ叫」は少し話を引っ張る力に欠ける
だからもっと削ぎ落としてテンポアップを
と思う
かなり期待していたがために酷評じみてしまったが、良いとこもあって
1番はキャストを全てプロの声優で固めたという所(順の母の吉田羊以外)
ポリシーとガッツを感じるし嬉しくなる
そして見事に演じきっている
特に水瀬いのりと内山昂輝の二人は素晴らしかった
きっとキャストを芸能人にする案はあっただろうけど、それを押し切ってこのキャスティングにしたかと思うと本当に偉い(あくまで想像ですが)
まぁとにかく
悪くないし雰囲気良いんだけど上がり切らないという印象でやや残念でしたが、超平和バスターズの主要三人の座組はいつだって気になる作品になると思うので、次にまた期待してと言う感じで
最後に
ミトさんの劇伴は最高でした。