Shammy

心が叫びたがってるんだ。のShammyのレビュー・感想・評価

心が叫びたがってるんだ。(2015年製作の映画)
3.6
『心が叫びたがってるんだ』鑑賞。

‘‘中2病”っていう安い言葉でカテゴライズしてはいけない少女の闇を描いた青春アニメ映画。

アニメはテレビでいーやん、アニメは12話のワンクールでだらだら観ようって作品じゃなく、非常に丁寧に物語を作っているのを感じる。「劇場で観る映画」として作り込んでる。2時間に詰め込んだ製作者の方々の熱い、熱いメッセージ、受け取れたと思う。

構図や演出は実写映画寄りで、最近のアニメは背景が本当に綺麗で息をのむ。
決して派手な映画でもなくて話は淡々と進むけれど、日本映画らしい情緒ある空気をスクリーンから感じ取ることができる。

それぞれのキャラクターは見た目は勿論、表情の描写が細かく、キャラデザの際から1人1人に深く掘り下げた設定をしてるのが垣間見える。

主人公は喋れなくなってしまった少女。エゴや自分の殻に閉じ篭り身勝手な発言や行動が目立ち、イラっとする場面もあるけど、主人公が抱えた過去のトラウマを自分に置き換えると、
思春期なんて、誰しも大なり小なり不安抱えてエゴ全開で殻に閉じ籠ることってあると思えた。
アニメーション故にオーバーな描き方をしているけれど、それが実写で出来ないアニメだからこその演出。

現代のアニメにはあまりないノスタルジーを感じた本作。映画として私は大いにありだと思った。
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