「ぼくがつくった、ふぁいとふいっしゅって映画なの」といった感じ。観た人は、分かるよね。
ハッキングシークエンスの、サーバーのローカルにアクセスする、という当たり前を当たり前のようにやる映画は少ない。そもそもクラウドに重要なデータは保存しないからね。
そして、ローカルにアクセスする為に主人公たちは動く。
この、ハッキングを真摯に描くことで、映画的な動きも付けるという見事な手際には非常に好感が持てる。
そして僕があらゆる物語のオチに対して思うのは、「結論が白か黒かになった時点で面白味は無い」ということ。
この映画にはグレーが無い。それが圧倒的な魅力不足を招いている。
焼き増し、コラージュ感が出てしまうのは、そのグレーの部分が物語のオリジナリティー、映画の主題でもあるアイデンティティーそのものだからだ。残念。