ノラネコの呑んで観るシネマ

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.2
架空のイランを舞台にした異色の吸血鬼映画、と言っても単にペルシャ語劇であるだけで撮影地はカリフォルニア。
アメリカ人の作ったアメリカ映画だ。
ドラッグディーラーの青年と、吸血鬼の少女が恋に落ちる。
出てくる人全員が、どん底人生の吹き溜まり状態。
耽美的なモノクロ映像は美しいが、ただただ閉塞感を募らせるだけのプロットは正直退屈。
画的なセンスだけでなんとか持たせた。
なぜイランなのか?という部分も、奇をてらう意外に必然を感じない。
一番印象深かったのは、冒頭からラストまでセンター位置で場面をさらってゆく、にゃんこのムサカちゃんの名演技。
独特の余韻あるオチも良かったな。