起きない

日本のいちばん長い日の起きないのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
3.5
17.史実で周知の事実なのでネタバレフラグなしで&自分の調べたことを見返すために長尺レビュー

教科書でさらっと読んだ程度の知識しか持ってなかったから、ポツダム宣言を受諾し日本の無条件降伏によって戦争終結するまでにこんなに紆余曲折があったとは思わなかった…。本当にタイトル通り「日本のいちばん長い日」だった…。
物語は2時間粛々と進んでいくけど、一つでも判断を間違えて下せば日本国が滅亡の道を歩むかもしれないという緊張感がずっとあって見入ってしまった。歴史の知識もないし昔の言葉も難しいからわからないところを一回一回止めて毎回調べてちゃんと理解しようと努めてた

ポツダム宣言に「国体護持」の保証が読み取れない限り黙殺、という鈴木総理の判断がなければ2度にわたる原爆投下はなかったのかもしれないけど、当時「国体護持」がいかに重要だったか、劇中の人々の動きや発言からひしひしと伝わってくるので、上層部がそういう判断に至るのもその時代の流れ的には分かるような気がする。昭和天皇から直接お願いされて77歳という最高齢で首相に就き、「私の内閣でこの戦争を終わらせる」と宣言し本当に終わらせた鈴木総理すげーよ、、、二・二六事件も四発撃たれて重症だったのに生き残ってるのよ、、、。

そしてポツダム宣言発表後の陸軍の反発が怖すぎる。一億玉砕、お国のために死ぬのが名誉と教え叩き込まれたが故に、(東條元首相の好戦的な考えも大きく影響してたんだろうな)このまま無条件降伏するなんてあり得ないと反発が起こり、過激派が保守派と争い合い、ついには宮城事件にまで発展。
それぞれの信念が暴走した結果の悲劇で、なかなか考えさせられる。昭和天皇の聖断であっても受け入れられなかったんだな。クーデターの首謀者の畑中・椎崎(特に畑中)のもうやってしまったからにはどうとでもなれ的な思考がとにかく怖かったけど、こんなに必死に戦って沢山の人が死んだのに無条件降伏で終わるなんてというやるせない気持ちもわかる、あれだけの犠牲を持ってして今更降伏なんてできない…。

陸軍首相阿南惟幾がうまく陸軍を制しているシーンが結構あったけど、やっぱり阿南いなかったらもっと悪化していたのかな〜。天皇にも首相にも陸軍にも慕われていた阿南を役所広司が演じているのすごく説得力ある。
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