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日本のいちばん長い日のmakoのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(2015年製作の映画)
5.0
史実を元にした作品であり、真実を追求するにも限界がある。
その上で、この映画に出演した俳優たちの演技は見事であったし、場面転換などの製作者たちの手腕も見事だと感じる。
劇中台詞は文字に起こさないと理解できない部分があったりして、難解な映画だと思うが、そのお陰で学びを通して鑑賞でき、有意義な時間を過ごすことができた。

戦争終結61年後に生まれた私にとって、史実をいかに正確に描写するかよりも、太平洋戦争がいかなるものであったかを知ることが重要であったし、またこれは歴史資料ではなく、「映画」というエンタメに属しているのだから、その点を踏まえ星5をつけたい。

宮城事件についてだが、畑中少佐の目的は国体護持にあり、天皇を守れるかが明記されていないポツダム宣言を受諾することはできない。だから、クーデターを起こした、ということ。
私はその点、即座に理解できなかった。

現役の受験生で日本史を選択しているが、深く授業で取り扱うことはなかった。
この映画を通して「国体護持」を知った。

付記

映画「オッペンハイマー」を踏まえて原爆投下の視点から降伏について調べて驚きであったのは、原爆投下後もなお軍部では戦争継続派が根強くおり、国民もまた家族や友人を失い、降伏を受け入れ難いようだったことだ。
アメリカでは原爆投下は降伏に繋がり、正解であったと思われていることを、松本人志が痛切に批判したのが印象に残っている。
また、「オッペンハイマー」劇中でも投下せずとも降伏は目に見えていたという米人がいた。

またこれは以前から思っていたことではあるが、戦争は体育祭のようだと思う。
盲目になりがちなのはある種「祭」もような要素を兼ねているからではないか。
オリンピックの意義も深く感じる。
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