MATSURI

マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章のMATSURIのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

末尾に加筆しました。

1作目を楽しんで観たので割と楽しみに、公開日2日目に観に行った。

どのキャラクターにも既にかなり思い入れてる自分に気づいた。カップル達はより絆を深めるし、独り者はらしさを極める。

青年と彼女の結婚式がある、という設定もよかった。インド映画に絶対出てくるダンスシーンが何倍にも希釈はされて受け入れやすくなっていたけど、私はあの唐突すぎるダンスシーンが大好き。どちらでもOKである。

今回はホテル経営者の青年のバカヤロー回で、最後の最後までイラつかされた。と思いきや、やはり彼は正しかった、という流れ。

この流れが、青年と彼女のカップルを安心して見送れる要素になる。同時に、経営補佐のマギー・スミス演じる老人が、ホテルを去るきっかけにもなる。

ありがちな「やっぱり彼にはこの人がいないと」で終わらせないところに、若者への敬意を感じる。老人を讃えるばかりの話ではないのだ。

「我々は若者から学ぶ」と、結婚式のスピーチのセリフ。1作目が先達から若者へのメッセージなら、今作は若者からのエネルギーを先達が受け止める作品だった。

第2章って、ほんとに最後にはホテルの2号館ができてるじゃん!っていうのもヤラレタ!

でもやっぱり、マギー・スミスが去ってしまうのが悲しいので、1作目よりは星が少ない。

書き忘れ加筆

イギリス人のアメリカのこれだけは許せねぇネタが好き。「サッカー?フットボールだろ?」的なアレ。イギリス人も半ばわざとやってるカンありだけど。今回は、紅茶。「予め入れたオシッコみたいなぬるいお湯に、ティーバッグを後から浸すのよこの国は。ボイルドウォーターなのよ。沸騰したお湯(でなければいけないの)よ。」紅茶の飲み方には全くの同感なので、カップに入れたお湯が出てきただけで、あー来るぞ来るぞ〜、とかなりフライングして笑った。けど、(大多数の)アメリカ人と同じ紅茶の飲み方している人は日本にも世界にもごまんといると思う(日本ではファミレス等のドリンクバーがそれを助長している気がする)ので、ここがおもしろいとピン来ないかもしれない。そこで「オシッコみたいな」ってセリフはイギリス以外に映画を出す時には大事になってくるのだろう。

そして最大のサプライズは、映画の最後の最後、字幕:戸田奈津子。なっちらしさを微塵も感じなかっただけに、館内がざわついた(気がした)。英国のレジェンド級のご長寿俳優たちがメインキャストとなって発してくるメッセージを誰に訳してもらおうか、となった時には、やはり彼女しかないのだろうな。訳にはナツさんの想いも多分に込められているはずなのて、しっかと受け止めよう。
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