元アメリカ空軍将軍とその一味がミサイルサイロを占拠。合衆国に突きつけた要求は、アメリカ政府がひた隠しにしてきた秘密(TOP SECRET)。同時に、その秘密は1945年以降、アメリカ合衆国が国家安全保障上、抱え続けてきた矛盾でもあった…
ミサイルサイロを占領した犯人側と、彼らと対峙する国家安全保障会議のメンバー(政府首脳陣)たちの対立を画面分割によって緊迫感あふれる演出で描写する20世紀サスペンス映画の傑作。
冷静で頭脳派の犯罪者リーダー:アメリカ空軍元将軍をバート・ランカスターが好演。
9基のミサイル群が発射寸前に至る場面や、ミサイルサイロ制圧を試みる軍と犯罪者の攻防、ホワイトハウス内で対立する正義と不正義など、見どころ満載で2時間40分の上映時間があっという間に感じる。
「合衆国最後の日」というタイトルから冷戦時代の相互確証破壊的な終幕を期待していたのが、良い意味で期待を裏切られた。
この終幕の仕方は、おそらく言葉の最悪の意味で「合衆国最後の日」に相違ない。
合衆国政府に対する不信感が高まった時代に製作された「カプリコン1」などのいわゆる「陰謀モノ」の系譜に列する作品だが、昏迷を極める現代のアメリカ社会と通奏低音する部分は大きい。