七沖

劇場版 シドニアの騎士の七沖のレビュー・感想・評価

劇場版 シドニアの騎士(2015年製作の映画)
3.3
硬派SF設定なのにすごくラブコメしてる。独特の世界観がクセになる作品だった。

地球を失った人類はシドニアという母船で宇宙を旅しているが、そこにはガウナという天敵がいて、人類は衛士というロボット兵器でこれに対抗する…というストーリー。テレビアニメの総集編とのこと。

新鮮な描写が多く、思っていた以上に楽しめた。
SF作品なのだが、登場人物や用語に日本語が多用されていて、まずそれが面白い。
シドニア艦内に一つの都市が丸ごと収まっているような印象で、場所によっては昭和の日本…というか軍艦島っぽい場所もある。
シドニアがガウナに向けて撃つ決め技がビームでもミサイルでもなく、特大サイズの円柱、というのも新鮮だ。圧倒的な質量が射出される様子はそれだけで迫力があった。

キャラクターの性格付けはオーソドックスなラブコメ配置だ。死と隣り合わせのハードな世界観の中で、デートしたり嫉妬したりする…これが意外と面白い。限りある青春を謳歌する感じは、フィクションくさいようでいて、実は結構リアリティがあるのかもしれない。
ヒロインの星白は最近珍しいくらい正統派なヒロインだったが、まさかあんな展開になるとは…。

終盤のガウナ討伐戦は、スターウォーズのデス・スター攻略っぽいノリで予想以上に楽しめた。

回収されていない伏線や説明不足な点が多いのは確かだが、この新鮮な世界をもっと観てみたいという気にはなった。続編の劇場版があればぜひ観てみたい。
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