映画を見ていると、いかに自分が無知であったかハッとさせられる瞬間があります。まさにこの映画がそれで、ハンセン病の扱われ方について漠然とした認識であったと無知を恥じました。
永瀬正敏、樹木希林、市原悦子とキャストが軒並み輝いておりました。とりわけ樹木希林、市原悦子のお二方には、やはりその存在の大きさというか役者としての圧倒的な実力をまざまざと見せつけられました。日本映画界の宝です。
話は戻ってハンセン病についての劇中での扱われた方、ひいては周囲の人間の行動ですね。話は少々逸れるかもしれませんが、映画というのはそれをみるタイミング、状況、心情がダイレクトにリンクするものだと思っていますので脱線を恐れず思いのままに書かせてもらいます。
現状無視できない国際情勢、戦争が世間を騒がせています。人間というものはどこまでいっても過去から学ぶことのできない愚かな者であると、世界は揺るがない真実を突きつけられました。
これは差別や偏見とも密接につながっていて、関連のニュース（黒人差別、水俣など）を目にするたびに人間に絶望しています。こんなにも情報に手軽にアクセスできる時代にも関わらず、狭く浅はかな視野でしか物事を捉えられないのかと。半ば差別というものを無くすことなど不可能なのではないのかと絶望する日々です。
ただそんなことはないはずだと信じたい気持ちもあることは事実で、というより信じないとやっていけないというかこれ以上人間という生き物に落胆したくないんですよね。
脈絡のない文章で着地を見失いましたが、よい世界になることを真に祈っています。そんな世界の不条理や曇った視界を晴らしてくれる、温かい作品だと思います。乱文乱筆失礼いたしました。
