あんの作品情報・感想・評価

あん2015年製作の映画)

上映日:2015年05月30日

製作国:

上映時間:113分

4.0

あらすじ

「あん」に投稿された感想・評価

waon

waonの感想・評価

3.8
樹木希林さんの言葉の重みを感じた。
ゆっくりと流れていく時間で
ほっこりする日々を描いていて、
後半にかけてどんどん深くなっていく。
何かを作るってこれだけ向き合って気持ちを込める必要がある。
中学生に自由に生きたら良いんだよと言った時本当にそうだなと感じた。
自由に生きようと思っても生きられない世界があった。そんなトキエさんからの言葉が重くのしかかった。

まさかワカナ役が樹木希林さんのお孫さんだった事にびっくり。
みんな演技力が半端ない。
sci

sciの感想・評価

4.1
樹木希林と対話する。そんな映画でした。
間の置き方やおどける時の体の動きが絶妙。その分観客の想いが入り込む余地があり、それを繰り返して繰り返して作品のリズムができる。くすっと笑いを誘ったり、ああこの人はこんなことを考えているんだと自分の中で落とし込むことができるようになる。作り手と観る側のキャッチボールが心地良い。

冒頭、河瀬直美得意のアップで来た!と身構えてしまいました。他の作品はどうか知りませんが「光」で多様され苦手だったのが、今回はそれが功を奏してドキュメンタリー視点になっていた。
前半はあんを作る作業。生地を鉄板に落として焼けた皮をはがす、小豆のアクが桶から流れていく、入れ物を持ち上げて水を流す、漬けた後の茶色く濁った湯、ふかふかに炊きあがった様子・・・もちろん匂いもしてくるようでした。

後半からドラマ。陽が当たる場所にはいることができなかった徳江が逆光だったり夕陽だったりに照らされる表情が愛おしくなる。
ハンセン病の患者が、隔離されただけでなく子供ができないように手術を強制されたり、子供ができた女性は堕胎されたことに、怒りに震えているかと思いきや、作品の中の人たちは諦めを超越して笑っていた。

直接的に誰かの役に立たなくても、世界を感じ取るだけで自分が居る意味があるんだよ。木を見上げ鳥たちの声に耳を澄ますように、それぞれ世間から外れてしまった3人が静かにお互いを見つめて、受け入れて、不可欠な存在になっていく過程がじんわりと描かれていた。

映画館の近くにある、地元ではじまん焼きと呼ばれている今川焼屋さんに猛烈に寄りたくなりましたが、寒風の中で並ぶ勇気がなかったのと、そこは甘いので苦手だったんだ、と思いとどまりました。ちなみに塩味のあん、ここらへんの和菓子全般は甘いというより塩辛くて大好きです。
かえで

かえでの感想・評価

4.6
おばあちゃんを思い出す
樹木希林の手紙の読み方と目線の泳がせ方すごい
市原悦子の友達役も自然すぎて
主人公の寡黙なところもいい
umeko

umekoの感想・評価

3.9
夕刻の少し前、庭で徳江さんが樹々や風と会話しているシーンがとても綺麗で好きでした
光が髪を透かして肌を撫でる

何者にもなれなくとも、世界と遊ぶのはこんなにも楽しいじゃないか

1日だけでも家出したらいいのよ、
私たちはこんなにも自由なのだから


季節とともに樹木希林さんと市原悦子さんの柔らかな声と存在に包まれる1本
(もうどらやきやんか)

あん、作ろう
しも

しもの感想・評価

5.0
水道から水が落ちる場面、桜や月、木々のざわめき、小豆の艶やかさ、小豆を研ぐ音など一つ一つの音が素敵だった。
そして樹木希林さんにすべてもってかれた。
MaU

MaUの感想・評価

4.0
映画館での鑑賞を逃したのでレンタルで。ずっと観たかった作品。ものを作るということは人が生きるということ、とどこかで聞いた言葉がこの作品で私の胸に強く浮かぶ。突然どら焼き屋の店長さんのところにやってくるトクエさん。あん作りを指南してくれる。二人が丁寧にあんを作っていく工程がなんとも自然でいとしい。このあんのおかげで店が人気になり始めると、トクエさんの持つ秘密が明かになり、波紋を広げていく。世間代表の店のオーナー(浅田美代子)の見せる反応と、それに抗いきれない自分を悔やむ店長さんの思い、彼の背景に胸が苦しくなった。店の常連の少女のフラットなあり方に救われるが、ある意味予想される展開には虚しさも覚える。でも、生きることは作ること。希望は次の世代へと引き継がれていく。トクエさんは店長さんを息子のように思い、彼の憂いを感じて「あん」を作ることを教えてくれたのだ。自分の恨みも絶望も表に出さずに、希望を託していった。彼女が社会と関わった証。ラストの店長さんがとてもいい。トクエさんがちゃんと店長さんの中に生きている。

樹木希林さんも市原悦子さんも逝去された今、いつかできる、いつか、と思わず、後悔を残さない生き方をしたいと作品に教えられている気がする。桜がきれい。桜の木に両手で手を振って帰っていくトクエさんの樹木希林さんのお芝居が大好き。お孫さんと作品を作れて嬉しかっただろうな。
きえ

きえの感想・評価

3.2
樹木さんの優しい演技が観たくて土曜日に借りてたのだけど、市原悦子さん、永眠されたんですね…
このふたりの役の、何気なく思いやって寄り添って生きてるところがよかった。

主人公の千ちゃんが、「挟まれる」立場で苦悶するシーンが数回。どら焼きみたいなソフトな挟まれ方じゃないぞ~あの苦悶の演技いいなあ。憤りを噛み殺して、まわりには不器用に優しくて。かっこいいなあああいう大人。
あとやっぱり希林さん。すげえや。

他の方のいうとおり、後半の「泣かせにいく!」流れは感じとったけれど、全体的に静かで優しくて苦しくていい。
Abu

Abuの感想・評価

3.0
樹木希林さんの芸風は「時間ですよ」の浜さんの時代から全く変わって無いように思う。
だからじゃ無いが、私はあえて過大評価もしないし、特に嫌うわけでも無い。
ただ存在感は凄いので他の俳優を食ってしまうところが多々有る。
晩年になって、そこら辺の塩梅が上手い監督の手にかかるようになり、希林さんの本来の姿が評価されるようになった、そんな風に思う。

さて映画‥‥
題材ははっきり言って嫌いです。
ストーリーも透かせば見えるような代物です。
ただね〜絵は抜群に綺麗ですねー
この監督にかかると、季節に関係なく空気が透き通っているように思えます。
そして台詞も音もカラカラに乾いているんだけど暖かい。
そんな風に思います。

とても新しく日本人らしい、そして女性監督らしい作品ですねー
監督、河瀬直美の名前は知っていた。
ドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」で、その映画作りの姿勢を見て、一目置いておりました。

凄い映画監督だった!
凄い映画を観てしまった!

どら焼き屋「どら春」の雇われ店長、千太郎(永瀬正敏)は、店の求人募集チラシを見た老女、徳江(樹木希林)に働かせて欲しいとせがまれ、彼女に粒あん作りを任せる事になる。あんを作り続けて50年という徳江の粒あんは、確かに美味しかった。店は瞬く間に大繁盛になるが、指の不自由な徳江に、心ない噂が囁かれる様になる。

樹木希林。

やはり凄い!!

小豆の声に耳を澄ませる。
桜の花に話し掛ける。
揺れる青葉に手を振り返す。

この世の全てのものに耳を澄ませ、優しく生きる徳江という人物を圧倒的な存在感と説得力で演じる。

千太郎も、店の常連客である中学生のワカナ(内田伽羅)も、徳江と話す内に自然と笑みを浮かべ、心と心を通わせる様になる。

以下ネタバレ含みます。
鑑賞予定の方はここまででご遠慮下さい。










ハンセン病(らい病)の事は少し知っていた。
聖書にも記述があり、「もののけ姫」でエボシが匿っていた人達は恐らくこの病気だとも気付いていた。

しかしこの国で1996年「らい予防法」が廃止されるまで、彼らが強制隔離されてきた歴史は知らなかった。

患者と認定されれば、故郷から連れ出され、名前を捨て、施設で暮らす。妊娠した女性は強制堕胎させられ、子どもを産み育てることは決して許されなかった。

この映画は、全てではないにしてもハンセン病問題、人間が持つ偏見や差別の問題に光を当てる。

鳥籠の中のカナリア
母に抑圧されている少女
過去の罪と借金を背負う男
垣根の中でしか生きられなかった老婆

そうか、この映画に出てくる人々は皆、自由を奪われ何かしらの垣根の中で生きている人々だ。

そしてこの映画は、ワカナの闇を、千太郎の闇を、徳江の闇を、観客が気付くか気付かないかの絶妙なタイミングで明かしてくれる。

それは映画と、それぞれのキャラクターと対話している様。

「そうか、あなたも自由ではなかったのか」
「そうか、あなたもそんな辛い状況にいるのか」

監督の意図がきちんと、丁度良いタイミングで観客に語りかけてくる。先走りもしないし、置き去りにもしない。

徳江が残したテープレコーダー。
その手紙の朗読に心が震える。

あんを炊く時、塩をわずかに入れると甘さが引き立つと言う。甘しょっぱい涙が流れる。

最後に。
この映画を観たその日に市原悦子さんも逝去されました。彼女もまた素晴らしい女優でした。
yuka

yukaの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

必ず見たほうがいい作品

樹木希林さんの演技は
本当に素晴らしい。
引き込まれた。

実際亡くなられたのもあり、
後半からは涙が止まらなかった。

病気や育ちでの差別は
何年たっても消えない世界。
それでも一生懸命に生きている人たちがいて、
みんな苦しい中でも幸せを見つけて笑ってる

苦しいけど、すごくすごく暖かかった


美味しい時は笑うのよ。

これを見た今日は
偶然にも樹木希林さんの
誕生日だった

樹木希林さん
市原悦子さん
ご冥福をお祈り致します。
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