静かに流れる時間。邦画特有の間の作り方が心地好い。この辺りは日本人特有の感性なのでしょうか?
借金の肩代わりをしてくれたオーナーへの恩返しのためにどら焼き屋を働く店主。どら焼きに使っていた餡は業務用の餡だった。
そこへ1人の女性がやってくる。一緒に働かせてくれないか?と。最初は頑なに拒んでいた店主だが、女性が作った餡の味に惹かれて一緒に働き始めるのだが・・・。
拭いきれない偏見が誰にでもあるんだろうな。その偏見にまみれた生きにくい世の中で生きるということ。生まれてくれてありがとう。小豆を餡に仕立てることと生きることは同じことなのかも知れない。
自分に対して、ここまで必死に生きてくれてありがとうと言えるようになるまでどのくらいの時間を必要とするのだろう。
樹木希林と市原悦子の空気感が素晴らしい。