樹木希林さんの追悼特別上映にて。
公開当時、見られなくて残念に思っていた作品。録画はあるけど、結局まだ見れていませんでした。それで、良かったな、やっぱりスクリーンでみるべき作品でした。
移り変わる四季と、餡を炊く映像の繊細さ、月や生活の中にある細やかな優しさ。映像の美しさがその裏にある残酷さと対照的で誰にぶつけたらいいのかわからない怒りと切なさ。音楽も主張せず優しい。重い問題提起は勿論、それでもやっぱり最後の徳江さんの言葉が全てだなぁと。
見て聞くために生まれてきた、だからなにものにもなれなくても、生きる意味はある。希林さん自身の言葉のようにも聴こえます。今更おこがましいけれど、本当に素晴らしい女優さんでした。
そして、永瀬正敏さんが素晴らしいです。
声色、眼差し、佇まい。河瀬直美作品にはほんとにハマる。あと、ワカナちゃん役の内田伽羅さんと、少しだけだったけど大賀くんも良かったぁ。
やり切れない気分になりながら、最後の「どら焼きいかがですか？」に誘われて、美味しいあんこ、探しに行ってみたい。
