ともぞう

あんのともぞうのレビュー・感想・評価

あん(2015年製作の映画)
4.8
らい病を患い、きっと今まで苦労をしてきたであろうのに、他人に対する思いやりや前向きに生きていくことを忘れない老女を樹木希林が快演。理不尽さに押しつぶされそうになりながらも耐える永瀬正敏や不器用な中学生役の内田枷羅も良かった。

【追記】テーマがらい病ということで、砂の器(公開1974年)を思い出した。らい病は1960年には治療法が見つかっていたにも関わらず、患者の隔離と絶滅が目的である「らい予防法」は30年以上も放置され、廃止になったのは1996年。そのため、映画の中でもあったように多くの人がその後も謂れなき差別に苦しみ続けた。非科学的な偏見で苦しむ人が一日も早くいなくなることを切に願いたい。

〈あらすじ〉
刑務所から出所したのち、どら焼き屋「どら春」の雇われ店長となった千太郎の店に、徳江(樹木希林)という女性がやって来る。その店で働くことを強く希望した徳江を千太郎は採用。徳江が作る粒あんが評判となり、店は大繁盛。そんな中徳江は、つぶれたどら焼きをもらいに来ていた女子中学生のワカナと親しくなる。ところがある日、かつて徳江がハンセン病を患っていたことが近所に知れ渡り…。
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