高熱のときに見る夢

あんの高熱のときに見る夢のネタバレレビュー・内容・結末

あん(2015年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞前に予想していたよりも深く感動した。良い意味で期待を裏切られた。
「私達はこの世を見るために、聞くために、生まれてきた。
だとすれば、何かになれなくても、私には、私達には生きる意味があるのよ。」
ハンセン病資料館が地元にあったので義務教育でも何度も聞いた。その度に苦しくなった記憶がある。非がなくとも世間は責め立ててくるし、事実はどうであれ他人の噂は避けられない。
それでも自分の心を曲げてしまわず、周りの人の心も大事にどこまで生きられるかな。
樹木希林さん、完全に既視感のあるおばあちゃんだった。細部まで最高、本当に名女優。
徳江さんは皆と詩を朗読したかったよね。何もかも奪われずに、感性を大事に生きたかったよね。女子中学生たちに、「自由にしてみたらいいじゃない、1日だけね」と出来そうな背伸びを教えているところに彼女の優しさがあると思う。羨望や怨嗟をぶつけず、呪わず、穏やかで優しい瞳のおばあちゃん。私もあんなふうになりたい。
中学生も初々しくて良かった。伽羅さんの時々詰まる感じが、引っ込み思案な女の子という感じで。ただ、長文になると少し棒読みっぽくなっちゃうかな。

そしてどうして私は人生を諦めたような苦悩滲む男性に惹かれるのか。苦悩に知性を感じるからかもしれない。マジ昔からそう。