享楽

バケモノの子の享楽のレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
5.0
「千と千尋の神隠し」を彷彿とさせる内容、つまり未成熟な子どもが人間世界から異世界へと足を運びそこにいる住人達と共に生活し成長するいわゆる教養物語で、更にある種の親子関係の普遍性をも織り込まれていてなかなかの感慨深さを齎してくれた一作だった。
キュウタが出会った白いネズミのような動物は母親の化身であることは中盤辺りから見て取れる。
そして大人が子どもに対して共感を覚え同情できるためのきっかけ(経験則)がしっかり描写されていて、血縁的な父か育ちの父かを選択する際に葛藤するキュウタに多くの観客は引き込まれるのではないかと強く思った。人は絶対的にエディプスの三角関係からは逃れられない。
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