ぬる

バケモノの子のぬるのレビュー・感想・評価

バケモノの子(2015年製作の映画)
4.5
全体的に音楽がいい!
映像のきれいさ、迫力もこれまでの作品とは段違い!(入道雲は相変わらず一緒)

ただ感情移入することができなかった。バケモノの子ではないのでできなくて当然かもしれないけど…
クマテツが一人で生きてきた描写がもう少し欲しかったかな?
過去の作品と比べて、心の中からぶわああああって感情が溢れ出すような、決定的な山場がないなと。。

というコメントとは反対に、細田監督はきっとこれ作ってて楽しかっただろうなと思った。
映像に楽しさが出ていて、監督が好きなので、高評価で!笑


2015.10.26 追記
東京国際映画祭 JAPAN NOWにて、
上映後に細田守監督のQ&Aがあるとのことで行ってきました。
学生当日券は500円。ありがたや…

鑑賞はこれが2回目だけど、1回目よりずっとずっとよかった。
1回目は全く泣かなかったのにいろんなところでグッときてしまった。

何が違ったかというと、わたしが設定を気にしなくなった。
チコってなんだよとか、クジラがそうでてくるのかよとか、見る前に細田守監督の過去作品を見てから行ったこともあって、前と比べてどうとか難しいことを考え過ぎていた。
(特に細田監督は設定をおざなりにするところがあると思っていたので、それを詰めてくるかどうか…みたいなところを気にして、粗探しをするような穿った見方をしてしまった)

今回は何も考えず、前日になって決めたくらいの感じで見れたから、かえってそれがよかったんだと思う。

Q&Aにて、ファンタジーと現実のバランスをどう取っているか。という質問があり、
現実の世界だけだとつじつまが合っているかがどうしても大事になってしまう。でも大切なことってそこを超えたところにあるんじゃないか、というようなことを仰っていてかなり納得した。

ファンタジーの世界にまで正解を求めるのは本当に野暮なこと。
それって絵本と一緒で、ハチャメチャだけど大切なのはごくごくシンプルな部分で、ハチャメチャな部分に目を当てていると、大事なことがよく分からなくなってしまう。

あともう一つ、なぜこの映画を作ったのかきっかけとなる出来事として息子の誕生を挙げていた。

昔なら家族の問題は(パイとして)小さなモノだったけど、最近はそうでもなくなっていることも。

自分も親になったことで、子供に心の師匠みたいなものを持ってほしいと思ったそう。
見ている途中から、父親を敬うのではなく熊鉄のような師匠を持ってほしいのかな?一緒に成長できるような人を見つけてほしいのかな?と思ったので、これにはハッとしました。

初めに見た時からずっと気になっていたのが「バケモノの子」というタイトルで、
これは一体誰のことを指しているんだろう?と思っていましたが、これについても
人間が思っているバケモノは本当にバケモノか?何が本当のバケモノなのか?という問いかけも入っているそうです。


いろんなモヤモヤがとれ、すっきりした2回目の鑑賞でした。

ついでに卵かけ御飯のことも書いておく。1回目のときはえ?!卵かけ御飯おいしいじゃん!と思ったけど、2回目で見たらなんとなく納得したので。笑

たまごかけごはんを九太が受け入れられないのは、九太にとって卵料理といったらハム入りオムレツだから。それが両親との家族のつながり。
あと、卵かけ御飯、醤油なしで食べるとけっこーまずい!!醤油がないのだということで、ひとつ…。
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