このレビューはネタバレを含みます
一年前の殺人事件で指名手配されている男に特徴が似ている3名にスポットライトを当てた群像劇ミステリー。ミステリー要素は薄く、1番のテーマは彼らの周りの人間が男達を「信じられるか」という点。
結論、信じた人は報われ…なかったですね。決して疑った人も報われてはなかったけど。
山神は前半、自由なバックパッカーで見るからにいい人を装っていて基本信じてはいけないのだが、客の荷物に苛立ちをぶつけていたシーンでの「自分じゃどうにもできないことが嫌んなっちゃって」というセリフは本心だったのではないかと感じた。
殺人事件当日、日雇現場で担当者から日程の間違いを告げられた際も同様の感情だったのでは?このなんとも言い表せない感情を「怒」であると自分に言い聞かせているのでは?と。
渡辺謙はじめ俳優陣の演技はさすがだった。
原作を見ていないからわからないが、もっといずみちゃん?への深掘りが欲しかったな。作品通して、ただ1人最初から最後まで男を信じていた人だったから。