仕事終わりのレイトショーでこれまたどえらいものを観てしまった…
静かではありながらも常に緊張感のある画の中で、役者陣の演技の熱量にただただ圧倒される。表情や感情むき出し。
お話はさすが小説の実写化。
別々の場所にいる人たちのそれぞれ独立した人間関係が、一つの殺人事件で繋がる群像劇らしい計算された構成。
絶妙な同時進行でも、ラストはそれぞれの形の終わりがあった。
(再スタートのような始まりもあったことがせめてもの救い。)
劇中の登場人物たちは信じ続ける。
神視点である私たち観客は疑い続ける。
でもその観客たちを疑わせるのは他ならぬ登場人物たちで、疑いの矛先をあちらこちらと簡単に誘導する。
この状況がなんとももどかしくてなかなか楽しい。
相手のことを信じられなかった自分への怒り。
信じていた相手から裏切られた怒り。
やるせなさ、悔しさ、などさまざまな形の怒りが確かにあった。
ミステリーではなく人間ドラマ。
登場人物たちの台詞にもぐっときます。
宮崎あおいの役はたまにふっと鋭くなるような、胸の内を見透かすような台詞が怖かった。
なぜ最後、彼女だけカメラ目線だったのかも分からなくて怖い。
とにもかくにも、観終わったあとのこのやり場のない気持ちはどうすればよいのですか…
明日会社休みでよかった…