夢野猫

怒りの夢野猫のレビュー・感想・評価

怒り(2016年製作の映画)
3.5
面白かった。
濃縮された二時間半でした。

ま、これだけの役者を集めてるんだから当然の結果とも言えるんだけどね。

ただね〜。犯人が必要だったのかな。

悲惨な殺人現場から始まり、怪し気な男が三人。それぞれ過去を隠したがり、モンタージュに似ている(この時点で私的には犯人確定。笑)
刑事物やクライム物だとここから犯人探しが展開するのだが、スルーして三者三様のヒューマンドラマにシフトチェンジ。
それぞれで単独の映画に成りそうな話しが展開し、………もしかすると三人共犯人では無く、“モンタージュ写真に似ていた事によって狂わされた人生”と言う作品なのかなと思い始め、タイトルの怒りは、そんな自分ではどうしようもない、持って行き場の無い怒りと言う意味かと……しっかり騙された?(笑)

終盤、予想通りの男が犯人だったのが判るが、単なる通り魔的な犯罪と言う落ちに、サイコキラーっぽいシーンや演技が宙に浮いた感じがした。

己の周りに対して、又、己自身に対して人は“怒り”を持つ。そして“怒り”は同時に“悲哀”でも有る。
と言う事かな。
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